猫の命が危ない。獣医師が警告「猫伝染性腹膜炎(FIP)」とは?

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人間界を苦しめている新型コロナウイルスで変異種が発見され、更なる感染拡大が心配されています。多くの猫が持つと言われる猫コロナウイルスもそれが変異すると、猫の命を脅かす猫伝染性腹膜炎ウイルスになるのだそうです。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤先生が、このウイルスにより引き起こされる「猫伝染性腹膜炎(FIP)」の原因、症状、予防法を教えてくれます。

猫の命の危険!「猫伝染性腹膜炎」とは?

「猫伝染性腹膜炎」という病気。耳にしたことのない方は多いのではないでしょうか? この病気は、成猫や子猫の命にかかわる重篤な病気の1つです。FIPを引き起こすコロナウイルス(猫伝染性腹膜炎ウイルス)とも言われています。FIPの罹患率は非常に低く、猫と子猫の間で一般的に見られる猫コロナウイルスによる病気です。

今週は、FIPを引き起こすコロナウイルス(猫伝染性腹膜炎ウイルス)についてご説明しましょう。

1)FIPを引き起こすコロナウイルス(猫伝染性腹膜炎ウイルス)とは?

FIPを引き起こすコロナウイルスは「猫コロナウイルス」が要因とされています。猫コロナウイルスに感染した猫の糞便と接触することにより感染し、猫同士が互いに毛づくろいをしたり、トイレなどを共有する事で他の猫へ感染していくのです。

通常の猫腸コロナウイルスは主に腸管にとどまり、腸内で増殖し下痢を引き起こします。FIPを引き起こす猫伝染性腹膜炎ウイルスは、猫腸コロナウイルスが突然変異したものと考えられています。猫腸コロナウイルスが致死性の高いウイルスに変異する原因についてはまだ解明されていないのです。

2)FIPを発症した時の病状とは?

病状としては、下のような症状が出てきますので、参考にして下さい。

<病状例>

  1. 発熱
  2. 嘔吐、下痢

★まとめ
現在、獣医師は特殊な技術を用いて猫コロナウイルスの有無を調べることはできますが、腸内の猫コロナウイルスが猫腸コロナウイルスか猫伝染性腹膜炎ウイルスであるかを確定することが今の医学ではできません。

ウイルスの感染はトイレなどの他の猫との接触が原因ではありますので、猫は家で飼われる方が予防の1つになると思います。

image by: Shutterstock.com

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