在日米軍基地は緒戦で壊滅か。バイデン政権も認める中国軍の真の実力

 

アジア政策のキーマンはキャンベル

さて、新政権の外交政策、特にアジア外交は誰が担うのか。

国務長官のアントニー・ブリンケンは、ハンガリー系ユダヤ人の家系で、1962年4月生まれ。父はクリントン政権下で駐ハンガリー大使、伯父も同政権下で駐ベルギー大使を務めたという外交官一家。本人もハーバード大からコロンビア・ロー・スクールに進み法務博士の資格を得た後、1993年に国務省欧州局に入った。その当時、クリントン大統領のスピーチ・ライターを務めたこともあるという。2002~08年にはバイデンが委員長を務める上院外交委員会の民主党スタッフとなり、09年にバイデンがオバマ政権で副大統領になると、その補佐官(国家安全保障担当)となり、13年からはオバマ大統領の副補佐官(国家安全保障担当)に格上げされ、さらに15年には国務省に下って国務副長官となった。

2017年に野に下り外交安保コンサル会社「ウェストエグゼク・アドバイザーズ」を共同経営、米企業に中国市場について助言した。そのため中国のメディアの中にはブリンケンを「中国通」と見て期待をかける論調もあるが、それほどのことはなく、バイデン同様の是々非々主義なのではないか。

ホワイトハウスで外交政策を牛耳るのはジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)で、彼は1976年生まれ、イェール・ロー・スクールを出た後、09年にオバマ政権の国務長官となったヒラリーの下で長官副補佐官。2011年に国務省政策企画局長となり、イラン核交渉などを担当。13年にヒラリーが長官を退いた後は、バイデン副大統領補佐官(国家安全保障担当)に。これは上記ブリンケンがオバマの副補佐官に上がったのでその後を埋めた形。16年の大統領選ではヒラリー陣営の上級政策顧問も務めた、根っからのヒラリー人脈である。

そのサリバンの直下にあってアジア政策を統括するのは老練の外交政策マンのカート・キャンベル。国家安全保障会議(NSC)に新設された「インド太平洋調整官」というポストに就き、中国はじめアジア政策全般を掌握する。

1957年生まれ。カリフォルニア大、オックスフォード大卒、国際関係論博士。ハーバード大で准教授を務め、その時からジョゼフ・ナイ(クリントン政権の国防次官補)の子飼となった。

1993年からクリントン政権のアジア・太平洋担当国防副次官補はじめNSC事務局長、北米自由貿易協定大統領特別顧問代理、財務省ホワイトハウス特別研究員を歴任。2009年には、オバマ政権下で国務次官補(東アジア太平洋担当)。その後いくつかのシンクタンクを経て自身のコンサル会社The Asia Groupを創設した。

そのキャンベルが早速、1月12日付の「フォーリン・アフェアズ」電子版に「米国はいかにアジア秩序を支えるか/均衡と正統性の戦略」と題した論文を発表した。バイデン政権のアジア政策の基本となるはずのものなので、要旨を紹介する。

高野孟さんのメルマガご登録、詳細はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 在日米軍基地は緒戦で壊滅か。バイデン政権も認める中国軍の真の実力
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け