中国「ワクチン外交」に対抗心をむき出しにする、大国インドの思惑

 

2021年1月14日付
東南アジア歴訪中の中国の王外相は、クーデター直前のミャンマーでアウンサンスーチー氏と会談。「ミャンマーはワクチンの多くを世界保健機関(WHO)などが主導する「COVAX(コバックス)ファシリティー」で確保し、不足分はインドから購入する方針だった。中国の突然の申し出は一帯一路の推進とセットだが、中国外務省によると、スーチー氏は中国側に謝意を示したという」

2021年1月28日付
世界の感染者が1億人を超える中、ますます世界規模での格差が生まれている、との記事中。「途上国へのワクチン供給が世界的な課題となるなか、自国の存在感を高めようと「ワクチン外交」を展開する動き」を指摘。中国についても言及。「中国政府は今月、ミャンマーやカンボジアなどにワクチン計200万回分以上の無償提供も表明。対立する米国などとの違いを際立たせる戦略のようだ」とした。

●uttiiの眼

こうして見ると、「中国とインドの対立」を所与の前提として、「ワクチン外交」を語るのは、少々強引のような気もする。一帯一路が「ワクチン外交」との関係で意識されるようになったのは王外相のミャンマー訪問からであり、そのミャンマーは現在、ワクチンどころではない状態に陥っている。一帯一路との関係は当然あるだろうが、中国の狙いはもっと広いような気がする。

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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