怒るでしかし。元やすきよマネージャーが横山やすしから学んだこと

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数々の伝説を持って語られる元吉本興業の名物マネージャー、大谷由里子氏。大谷氏と言えば横山やすし師匠にビンタを張ったエピソードがよく知られていますが、やすし師匠からの「無茶振り」も枚挙にいとまがなかったようです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では大谷氏本人が、やすし師匠との当時のやり取りを明かすとともに、そこから学んだことについて語っています。

横山やすしさんから学んだこと

横山やすしさんといえば、破天荒な生き方で知られる天才漫才師でした。吉本興業でマネージャーを務めた大谷由里子さんは、そんな横山さんとどう向き合い、そこから何を学んだのでしょうか。


「大谷由里子のリーダーズカレッジ」では、東京校と大阪校を含め各地で運営してきました。自分のアイデアを形にできる人材を育てたいと思い始めたスクールです。企業でいうなら、自分の企画を社長に提案して実現するまでの企画力、交渉力、プレゼンテーション、根回し等々を学んでいきます。

野球でいえば、「バットをこう振りなさい、ああ振りなさい」というのは「Teach(教える)」で、コーチングは「君はどう打ちたいの?ならバットはどう振ってみる?」と質問のやり取りから相手の中にある答えを引き出していきます。

以前、吉本興業でマネージャーの仕事をしていましたが、コーチングとマネージャー業はとても似ている。マネージャーは芸人に「芸風をこうしい、ああしい」と指導はしない。ただひたすら「どう売れたいか、それならどういうネタがいいんだろうか」と話し合い、聞き役に徹して、能力を引き出そうとしていました。コーチングの理論と自分のやってきた仕事が一致するので興味をもって勉強したんです。

吉本興業では「やすし・きよし」の横山やすしさんや、当時売り出し中の「宮川大助・花子」などを担当しました。横山さんにはわがままなイメージがあるようで、人には「大変だったでしょう」と言われます。確かに、大阪で生放送に出演するはずなのにまだ地方の競艇場にいたり、「浮気がばれた。嫁が怒っているから姿を消す。オレに仕事をしてほしかったらおまえが嫁の機嫌をとってこい」って電話がかかってきたり、むちゃくちゃでしたよ。

でも、どんな仕事でも取引先や上司から無理難題を言われるでしょう。それを無理難題と思うか、「試されごと」と思うかどうかの違いです。コーチングの基本に“発想を「Why」から「How」に変えよう”という理論があるんですよ。無理難題を言われて、「なんでそんなこと言われなあかんねん」と思ったら、もうそこで終わり。

あの頃、横山さんに何を言われても「どうする?」「どうやって解決する?」といつも考えていました。それがいまとても役立っています。

※ 『致知』2003年8月号より


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