大地震に遭遇しても「マンションのトイレ」にだけは逃げ込むな。その理由

 

また、トイレの中に逃げるというのも、マンションでは不適切です(戸建てだと、トイレは柱や梁や壁に囲まれていて、2階や天井が崩れても持ちこたえられる安全な空間だという理屈も立つかもしれませんが…)。もし、大きな揺れで扉の枠や錠の部分が変形したら、ドアが開かなくなってしまいますから、かえって心配です。もし、家に一人だったら、トイレに閉じ込められたことを、誰にも知らせることができまません。

私の知人は、閉所恐怖症なので、トイレのドアは閉められないし、締めなくてはならない場合は、かならずスマホをトイレに持ち込むと言っていました。普通の方はそこまでしませんから、地震発生時にわざわざトイレの中に逃げ込むのは、意味がないと思います。

あえて「トイレ」のことを書いたのは、まだ、マンション居住者のワークショップで、大きな揺れが来たら、室内のどこに逃げれば安全か…というテーマのときに、「テーブルの下」というのと同様「トイレの中」と答えられる方がいるからです。室内の安全な避難スペースを具体的に考えて、家族で共有されていますか?

大震災直後は、怪我をしても救急車もこられないことを想定しなければなりません。ですから、一番重要なのは、とにかく怪我をしないことです。自分の身を守る行動を再確認するきっかけになればうれしいです。

「管理組合のための震災対策チェックリスト」は、マンション管理センターホームページのトップページにあるボタンからダウンロードできます。すごくシンプルで見やすい構成になっていますので、活用してください。

マンション管理組合のための震災対策チェックリスト

image by: Osaze Cuomo / Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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