存在感を示したいだけ?日本中に増殖する「正論マン」の迷惑千万

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「正論」ばかりを振りかざす人のせいで周囲が迷惑を被っているというケース、よく耳にするものです。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんの知人も、そんなタイプの人々に消耗させられている一人。廣田さんは今回、その知人とのやり取りの一端を紹介するとともに、自分が他人を困らせる「正論マン」にならぬよう気に留め置くべきことを記しています

「正論」は議論の場を委縮させることもある

こんにちは!廣田信子です。

いろいろな地域活動に参加していて、今期、管理組合の理事長もしている知人から、「正論」って何だか疲れるね…と珍しく弱気なメールがあり、気になって電話をしました。管理組合の理事長になって、管理組合の理事会での何が目的かわからない「正論」の主張の応酬にかなり疲れているようでした。それぞれが自主的に参加して目的を持って活動しているグループとは大きく違う…と。

彼の言う「正論」とは、自分の正しさを、いろいろな権威の裏づけで補強し、周りに主張すること…だとわかりました。自分たちのマンションの管理規約の役員資格について話し合っているのに、「標準管理規約」には書いてある…いや、〇〇先生はこう言っている…と、突然、主張合戦が始まる。それによって、それまでささやかに積み重ねてきた

  • 役員の仕事を減らして誰もが引き受けやすくしよう
  • オンラインで参加できるようにしたら外部組合員も理事になることができるのでは…

というような前向きの議論が吹き飛んじゃって、

  • 標準管理規約には、どれほどの拘束力があるか…
  • 標準管理規約と違う定め方をしていたら、管理組合の評価でマイナスにならないか…

というような後ろ向きの議論になってしまう。国のマニュアルとか評価基準…みたいな話になると、それを無視できないし、一般の理事の自由な議論は委縮してしまう。

で、一番腹が立つのは、そんな権威(に見えるもの)を全面に出した「正論」をなぜ振りかざすのか、目的がわからないこと。

現状を把握し、組合員の事情や公平感を考慮して、自分の考えをまとめる…ということをしないで、権威を振りかざすことに何の意味があるのか…悪いけど、自分の考えがなくて、それでも自分の存在感を示したいための言動としか思えない…と。

さらに、公平性を担保するための手段として、役員報酬を出すことを検討し始めたら、

  • 理事はボランティア精神でするものそもそもボランティアとは…〇〇にこう書いてある
  • 「利己心」ではなく「利他心」で生きるのが自分の信条、その精神で理事は努めなければならない

なんて、立派な正論を言うので、そこで議論はストップ。じゃあ、あなたは、その精神で理事の仕事をやっているのですか?理事会に出て言いたいことを言っているだけじゃない?その「利他の精神」を誰がどうやって組合員に自覚させられるのか…と言いたくなるのをこらえたけど、なんか、どっと疲れてね。まだ、自分勝手な主張の方が、対処方法があるので、こんなに疲れない。否定できない「正論」を無自覚に主張される方が、消耗するよ…と。

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