リフォームでもリノベーションでも無い「リファイニング建築」とは何か?

 

しかし、もともとが分譲マンションの場合、合意形成の壁があり、これまで活用されていませんでした。

今後、建替えも敷地売却も合意形成ができない場合の第三の選択肢として、「リファイニング建築による再生」も覚えておきたいです。

建物や設備が老朽化し、改修には多額の費用が掛かるが、修繕積立金が大幅に不足していて厳しい状況にある。漏水が頻発していて、専有部分の大規模な設備改修も必要だが、ほとんどの住戸で手がついていない…というマンションには向いている手法だと思います。建物をスケルトンにして、共用部分、専有部分すべてを新築同様にできるのです。

ただし、現行では、特別法での定めがないので、全員合意が必要というハードルがあります。今の敷地売却制度は、建物の解体が条件なので、建物を残してリファイニング建築する場合は使えません。

しかし、脱炭素社会への取組みはますます重要視されますから、法整備や推進施策は今後進んでいくでしょうし、全員が賛成すれば、いつでも何でもできるのがマンションです。市場できちんと評価されるようになり、融資が受けやすくなることで、マンションでもリファイニング建築による再生の検討が進むのではないか…と希望を見ました。

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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