心理分析家が検証「人はウソをつくと目をそらす」はどこまで本当か?

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巷でまことしやかに語られている「定論」は、疑ってかかったほうがいい場合もあるようです。今回、「ウソつきは目をそらす」という通説を検証しているのは、ニュースやバラエティー番組『チコちゃんに叱られる』等での心理分析で知られる清水建二さん。清水さんは4月1日に配信を開始したメルマガ『清水建二のウソと心理の見抜き方』で、とある政治家のウソが明らかになった会見映像の分析を通して、「目をそらすのはウソのサイン」の真偽を審査しています。

(本記事は、メルマガ『清水建二のウソと心理の見抜き方』2021年4月1日号からの一部抜粋です。4月中のご登録で、4月分のメルマガがすべて届きます)

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政治家の言動から考えるウソを見抜くという行為

こんにちは。清水建二です。本日よりメールマガジン『清水建二のウソと心理の見抜き方』のスタートです。最初に具体的な事例を通じてウソと心理の見抜き方を考えたいと思います。

コロナ禍に揺れる1月の東京。緊急事態宣言の最中、ある政治家が銀座のクラブ含む複数の飲食店に訪れていたことが問題になりました。以下は、その政治家がテレビカメラの前で釈明している一場面です。どこにウソのサインが現れているでしょうか?

【ケーススタディー】

記者A:確認ですけど、その、あの、お店に行かれたときは、あの、えーM先生お1人だったということですか。

 

政治家:(一瞬だけ目を左右にそらし)ええ、1人です。

 

記者A:各社さんいかがでしょうか。

 

記者B:T新聞のBです。確認ですけども、複数人での会食っていうのは、その、各飲食店であったんでしょうか。

 

政治家:(一瞬だけ目を左右にそらし)ありません。全部、あの、要望・陳情を承ると、いう立場で、1人で行っております。

 

…中略…

 

記者C:あの、確認なんですけども、最後の、そのークラブを出た時間は、何時、何時から何時まで、だったんでしょう。

 

政治家:(一瞬だけ左上に目をそらし、眉を中央に引き寄せ下げ)おそらくー11時ぐらいになって、た、と思いますね。

 

記者C:23時にその現場を、出られた。

 

政治家:ええ、23時に、ええ、出たと。あの、う(一瞬だけ左上に目をそらし)、まぁ、過ぎ、ちょっ、多少過ぎていたかも知れませんけども。だいたい、そんな時間だったと思います。

【考察】

ウソのサインを「一瞬だけ目を左右にそらし」「一瞬だけ左上に目をそらし」と考えた方がいらっしゃったと思います。「『目をそらす』のはウソのサインの典型!」とどこかで聞いたことがあるからかも知れません。しかし、「目をそらす」を根拠に「他者がウソをついている」と考えている方は、この文を読まれている今の今まで、真実を話している多くの人をウソつきだと誤解してきた恐れがあります。残念なことであり、状況によっては、非常に危険なバイアスになります。

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