菅義偉首相はじめ政府関係者は「専門家の意見を聞いて」と繰り返しますが、この専門家には危機管理の見取り図を描く力が備わっていないのです。そうした専門家丸投げの姿勢では感染症の専門家の見方や見解に引きずられることになりやすい。また、政府側にも専門家の見解を判断する能力が備わっていません。シャシュア教授らは、そうした問題を克服するために提言したことは言うまでもありません。
シャシュア教授らの提言がそのまま採用されることはありませんでしたが、イスラエルは同様の認識のもとに戦略的取り組みを進め、いまやワクチン接種率では世界一、屋外ではマスクを着用しなくてもよいようになりました。混乱を極めた世界各国の対応も、試行錯誤の中で独自の戦略的な取り組みを描いてワクチン接種を進め、コロナ克服の日を射程圏内に収め始めています。
先進国の中で戦略的取り組みが欠けているのは日本だけです。このままでは、死なないまでも、日本経済が弱ることは避けられないでしょう。
政府には、いまがラストチャンスだというくらいの覚悟のもと、思い切ってロックダウンに踏み切ってもらいたい。都道府県知事任せなどという無責任な特措法などを後生大事に守ろうとせず、生煮えの法律も同時進行で改正してもらいたい。
菅さん、やらなければ歴史に汚名を残すことになりますよ。ポスト菅に名前が挙がっている政治家の皆さんも、本物の政治家かどうかが試されていることを忘れないでください。(小川和久)
image by: 首相官邸
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