配達員自身が告白、ウーバーの「危険運転」とマクドナルド配達の裏

 

吉田:確かに、都内は街中を流しで走行しているタクシーであれば遭遇する機会はありそうですものね。今回の取材も、Fさんから「ウーバーイーツやっている子だったら知り合いがいるので紹介しましょうか?」から始まって、清水さんの連絡先を教えて頂いたわけですし。

清水:僕は、Fさんから「ジャンクハンター吉田さんという交通ジャーナリストの方が、ウーバーイーツの配達員を取材したいそうなんだけど、どうかしら?」とLINEが来ました。どのような方なんですかね、と伺うと「パーキングメーター59分までは未納で使えることを全国へ知らしめた人」と教えて頂き、実は僕の兄が宅配便の仕事していたので、この59分まで料金未納のまま使える話は知っていましたから、あれを広めた方だったら兄への土産話も含め「興味あります」とFさんへ返事して、今回この場で実現したという感じですかね(笑)。

吉田:ほぅ。お兄さんは宅配便のドライバーなんですね。兄弟でデリバリーワークというのも珍しいんじゃないですか?

清水:最初は、兄が運転するトラックの助手席で、本当に助手的なバイトをしていたんです。路上にクルマ止めておくとスグに駐禁切られてしまうのを防ぐための助手ってことです。道路交通法が改正されてからは、宅配便のドライバーも可能な限り2人組で稼働させるようになったことから、高校卒業してコンビニの深夜バイトで生計立てていたら、兄が勤めている会社で「駐禁切られまくって大変なことになっているから、助手席に座ってたり、荷物の積み下ろしするだけのラクな助手仕事やらないか?」と誘われたんです。

吉田:ちなみに清水さんの年齢はおいくつ?

清水:25歳です。

吉田:お兄さんの会社で助手仕事はどれぐらいの期間やっていたんですか?

清水:5年ちょっとですかね。兄や社長からは「クルマの運転免許取得して正社員にならないか?」と凄く誘われていたんですけど、今時の若者っていう言い方が当てはまっているかわかりませんが、自由人なまま20代を過ごしたかったんですね。一度しかない人生ですから、好きなことやりたいというのもありましたし、趣味は「せどり」でして、ブックオフとかに行ってレアや絶版の高そうな書籍類を安く購入して、ヤフオクやメルカリで売るのが楽しくて楽しくて(苦笑)。せどりをやり始めたら、気付けば自転車で片道30kmもあるブックオフへ行くようになったりと、助手仕事しない日は自転車でブックオフ巡りが唯一の楽しみでした。

吉田:兄の助手仕事は月~金の週5日間勤務だったんですか?

清水:いえ、僕が働きたい時に助手仕事をさせてもらう形でしたね。深夜のコンビニバイトも同時にやっていましたし、とは言え、週に3~4日は助手仕事していたかな。兄だけではなく、他の配送員の方の助手仕事もしましたので、兄が勤めている会社の社長は、週ごとのシフト組んでくれればいいよというスタンスでしたので、かなり自由がききました。

吉田:で、助手仕事やコンビニバイトのない日は自転車で遠方までせどりしに行く健康的な日々を送っていたわけですか。

清水:健康的かどうかわかりませんが、せどりのおかげで自転車を長距離走行するのも抵抗がなくなったのは事実です。雨の日も雨ガッパ着て自転車乗るぐらい自転車LOVEが強くなっていったのは、2台目で購入した電動アシスト自転車の魅力だったと思います。普段はマウンテンバイクなんですが、前カゴも付けた電動アシスト自転車は荷物を多く積載できるので、せどり先で購入したブツを自宅まで持って帰るのに本当に便利だったから、雨の日も関係なく自転車を常に乗るようになったんです。

吉田:いいですねぇ、そういうバックボーン。フードデリバリーワークへ入る前に至る段階、そしてせどり熱が清水さんのポテンシャルだったという、自転車に乗ることで生計を立てていくまでへのステップが手に取るようにわかってきました(笑)。ということは、お兄さんの会社を辞めた後にウーバーイーツのデリバリーを始めたってわけですか。

清水:兄の会社は正式に今も辞めたわけじゃないのですが……というか社長に気に入られてしまっているので、籍は置いてある形なんですよね。笑い話になってしまいますが、社長とはオンラインゲームでフレンド関係が築き上げられていることから、毎晩ゲームへログインしては社長とチャットする間柄ですので、なんとも複雑な関係というか、ゲームやる時のチームメンバーだったりするので離れられないみたいな(苦笑)。

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