ダサいと思われたら終わり。お客様出演イベントの注意点とは?

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今やすっかり「定番」になったと言っても過言ではない、SNS上で展開されるアパレルショップなどのお客様登場イベント。しかし安易な気持ちでの開催は逆効果を招く危険性もあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、お客様登場イベントで重要なのは、目にした人にショップや商品への興味を持っていただくことだと断言。その部分が練られていないイベントならば「やらないほうがマシ」との厳しい見解を記しています。

「お客様に登場してもらう」的なイベントをやったことはありますか?

例えばアパレルショップなどで、「お客様のコーディネートを発信材料にする」みたいな企画をやっていることがあります。何かのイベントの期間中に、「イベントのこの商品を購入してくれたお客様が、こんなコーディネートをしてくれました!」的な文言とともに、「常連の〇〇様」と撮影された写真がインスタなどで掲載されているわけです。

見たことありませんか?

こうしたイベントに登場したいお客様も一定数いるので、それなりに効果はあるのかもしれませんが、個人的にはこうしたことをやるならもう少し考えてもらいたいと思う部分もあります。

なぜなら、この手のイベントの写真を見ると「こうなるなら別にいらないかな」と思うことが少なくないからです。先述したような写真には、常連のお客様が着用したコーディネート写真が載っていますが、かなりの確率で「ダサい」と感じてしまうことが多いからなんですね。もし常連でもなんでもないお客様がその写真を見ても、「ダサいからいらないや」と思われてしまうわけです。そんなことになるなら、最初からそういうイベントで写真を撮って掲載するということ自体の意味が問われてしまいます。

これは、決してお客様のせいではありません。

確かにその日のコーディネートを自宅でしてくるのはお客様です。そこにアドバイス的な提案をするのは販売員の役目ではあるものの、そうは言っても言える範囲は限られてくるでしょうし、購入してくれる商品も限定されます。トータルでかっこいい、可愛いと感じるような状態にするのは難しい場合が少なくなく、その点では、販売員がどうこうしようというのは難しいかもしれません。

問題はそこではなくて、安易に「買ってくれたらコーディネートを撮影して店のインスタに掲載しますよ」みたいなやり方をしてしまうことだと思います。そう言われれば、出てみたいと思うお客様は例え販売員から見てどれだけダサい状態でも出たがりますし、そんなに出たいと思っていないお客様に対しても販売員はイベントを盛り上げたいという気持ちから、積極的にアナウンスをして出てもらおうとします。

そのどちらも、その場のお客様が少しでも楽しければいいという感覚だけで、その情報発信を目にする別の方々のことを考えられていないのです。

真面目な話、プライベートでどこかのブランドの情報を見ている時に「いや、これダサいな」と思う商品を買おうとは思いませんよね?その店に対しては、ダサいイメージがついてしまうのですから、足を運ぶことも無くなるでしょう。だから、普通の情報発信をする時には、そう思われずに、できるだけ良いものだと思ってもらえる情報発信を意識しているはずです。

それを、イベントを盛り上げるためという建前があるとしても、平気で逆のことをやっているのですから、非常にもったいないことをしているとも言えると思うのです。

だったらやらない方がマシです。

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