ユニクロに米国が激怒。中国ウイグル弾圧にダンマリで加速する輸入禁止

 

じっさい、ウイグルでは出生率が2年で半減したことが明らかになっています。不妊手術や子宮内避妊具装着手術が急増しており、中国政府による強制的な不妊処置によるものです。中国政府系シンクタンクは、「新疆の女性たちが自ら進んで不妊手術を受けている」などと言っていますが、100万人のウイグル人が収容所に入れられ、強制労働に従事させられているなかで、そんなことがあるはずがありません。

【独自】新疆ウイグル出生率2年で半減 中国統計入手、不妊処置が急増

ウイグル問題では、アメリカ、EU、イギリス、カナダがすでに中国に対して制裁措置を出しています。EUが中国へ制裁をかけるのは30年ぶりです。そしてEUにはフランス、ドイツ、イタリアも加盟しています。

そのため、先進7カ国(G7)で制裁の輪に加わっていないのは、日本だけなのです。このことは以前のメルマガでも書きましたが、1989年の天安門事件に対する各国の対中制裁を、最初に解いて天皇訪中をさせたのが日本なのです。これをきっかけに対中制裁の輪が崩れ、各国は次々と制裁解除することになったのです。

また、BBCが報じたところでは、人権団体「ウイグル人権プロジェクト」によれば、2014年以降にイスラム教の指導者(イマーム)など、同宗教関係者630人以上が中国当局に拘束・収監されており、現在はイマーム18人が拘束中または拘束の直後に死亡したことを示す証拠が見つかったとのことです。

中国、イスラム教指導者を標的に 新疆のウイグル族弾圧

こうしたイマームたちは、「過激思想を広めた」「分離運動を扇動した」といった理由で拘束されていますが、実際には説教や礼拝集会を開いただけで犯罪とされて逮捕されるケースがほとんどです。

中国政府のデータによれば、2017年の中国全土の逮捕総数のうち、21%が新疆での逮捕だったそうです。しかし、新疆の人口は中国全体の1.5%しかありません。どれだけ逮捕者が多いかがわかります。

しかも先ほどのBBCの報道では、新疆では2018年に7万4,348件の犯罪事件が記録されているものの刑事裁判が確認できるのは7,714件と10分の1しかないということです。とくに、宗教指導者たちに適用される罪状の裁判がほとんどないため、中国が意図的に記録を除去していると指摘しています。

中国では宗教に対する弾圧がますます強まっており、それは文革以来で最悪ともいわれています。たとえばキリスト教は政府公認の教会では司教は中国政府が任命します。宗教を否定する共産党が宗教上のリーダーを選ぶというのですから、矛盾だらけです。また、祭壇には毛沢東および習近平の肖像画を飾ることが義務化されており、神と同一に扱わなくてはならないのです。

これは、他の宗教でも同じです。チベット仏教では、ダライ・ラマとパンチェン・ラマという宗教指導者がいます。いずれも、死去したときには、その同日同時刻に生まれた子供を「転生霊堂」として生まれ変わりと認定し、次の指導者に指名するのです。

1989年、パンチェン・ラマ10世が死去し、その6年後にダライ・ラマは当時6歳の子供をパンチェン・ラマ11世として指名しました。ところが中国政府はこれを認めず、この子供を拉致したあげく、別の人間をパンチェン・ラマに指名したのです。拉致された子供は長らく行方不明になっていましたが、昨年5月、中国は「大学を卒業して就職した」と、突如、発表しました。

25年前に失踪したパンチェン・ラマ、「大学卒業して就職」と中国外務省

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