中国の動きを今すぐに止めろ。欧米がアジアへ「海軍」を送る訳

 

30年後、ユーラシアは【黒】に染まる

ソ連崩壊から、今年で30年になります。世界地図は、民主主義の国だらけになったのでしょうか?いえいえ、そうはなりませんでした。「ソ連モデル = 赤」に代わるモデルが登場した。そう、中国モデルです。

中国モデルとはなんでしょうか?

  • 政治体制 = 共産党の一党独裁

これは、ソ連と変わりません。

  • 経済体制 = 国家資本主義

ここがソ連と違いますね。この体制では、中国政府が、企業を支援し、世界で営業もするのです(たとえば、ファーウェイ)。しかし、共産党が最上位で、企業はその下という力関係がはっきりしています。アリババの創業者ジャック・マーといえども、政府を批判すれば、何か月も行方不明になってしまう。そして、この国では、法律はあまり関係ありません。基準は、「習近平に従うか従わないか」だけです。

中国モデルを【黒】としましょう。

まず、ロシアは、中国の事実上の同盟国です。その他、ベラルーシ、イラン、北朝鮮。最近ではミャンマーで国軍が民主派を大量虐殺しています。つまり、ミャンマーは、【黒化】している。

もう一度先ほどの地図をみてください。ロシアが中国と手を組んだことで、赤かった部分のほとんどが、黒くなっている。マッキンダーの認識によると、

  • ハートランド(ロシア)を征するものは、世界島(ユーラシア・アフリカ大陸)を支配し
  • 世界島を征する者は、全世界を支配する

そう、中国は、ハートランド(ロシア)を事実上支配することで、世界島支配、全世界支配への道を開いているのです。少なくとも、マッキンダー地政学を知り尽くした欧米のエリートにはそう見えます。

なぜ、欧州の大国がアジアへの関与を強めているのか?かつて、西のランドパワー・ナチスドイツが世界支配を目指した時のように、ハートランド・ロシア(ソ連)が世界支配を目指した時のように、東のランドパワー・中国が世界支配を目指している。「これを今止めなければ、全世界は大変なことになる」という危機感がある。だから、イギリス、フランス、ドイツは、アジアに海軍を派遣するのです。

日本は、どうすべきでしょうか?こういう大局を知り、「対中大同盟」に参加すべきです。現状すでに参加していますが、正しい「認識」と「自覚」をもって参加すべきです。「対中大同盟」に参加すれば、日本の勝利は確実。しかし、ウイグル人100万人を強制収容し、ウイグル女性に不妊手術を強制し、事実上の「民族浄化政策」をしている中国につけば、負けは必至です。

第2次大戦時、日本は、ユダヤ人を大虐殺していたナチスドイツについて負けました。菅総理は、同じ過ちを繰り返さず、はっきりとアメリカ側についてください。

image by: 防衛省 海上自衛隊 - Home | Facebook

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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