コロナ禍における社会のオンライン化の流れは、参加者減少に悩むマンションの総会や説明会運営サイドにとっては「追い風」になりうるようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、住民にオンラインでも配信したあるマンションの説明会の様子を紹介。そこで得られたのは、「ネット視聴可能」だからこその大きな成果でした。
オンライン参加の説明会、意見を言いたくなったら駆けつける?
こんにちは!廣田信子です。
コロナ禍での説明会の開催に頭を痛めている管理組合もあると思います。
昨日、とてもおもしろいお話を聞きました。あるマンションで、外構、植栽の大規模な改修を考えていて、きめ細かいアンケートや情報の広報を重ねて、最終的な改修案の説明会を開催した時の話です。
集会室でのリアルの説明会と、その様子をインターネットで視聴できるという2段構えで行ったとのことです。インターネットでの参加者は、視聴できるけど双方向ではないので、そこで意見は言えないことになっています。リアル参加者とインターネット参加者を同じような環境で、双方向の意見交換ができるようにするには、かなり運営側の負担が重いので、インターネット参加は視聴だけとした訳です。
そうしたことで、
- コロナ感染が心配で説明会には参加できないという人も、説明を聞ける
- インターネット参加ができることで、集会室に集まる人数を押さえることができる
- 質問や意見を言いたい人は、リアル参加を選択をしてもらえば支障がない
ということで、現実的な開催方法だと思います。総会も、このような仕組みで行う管理組合は多いと思います。オンラインでの発言や議決権行使の保証は、まだまだハードルが高いですが、総会を視聴してもらうだけなら、オンラインの活用は有効ですから。
で、説明会の話に戻すと…リアル参加が約20名、オンライン参加が約20名という形で始まった説明会でしたが、説明が進むうち、オンライン参加していた方が、どうしても意見を言いたいから…と集会室に駆け込んで来られたようです。
ああ、マンションらしくていいな~と私は思いました。
同じマンションに暮らしながら、何もオンラインで参加する必要はない…という方もいらっしゃいますが、同じマンションに暮らしているからこそ、オンラインで説明を聞いていて、言いたいことができたら集会室に駆け込むということも可能なのです。
また、特に意見はないから、リアルだったら参加しなかったと思うけど、オンラインで聞くだけなら…気軽に参加してみたという方もいると思います。
若い知人も言っています。集会室に2時間、3時間と拘束されるのは、とても無理だけど、オンラインなら、家で音声を流しっぱなしにして、家事をしたり、子供の相手ができるから、参加してみようかな…と思う。管理組合がどんな活動をしているか、他の住人がどんな考えを持っているか、ということには、一応興味があるから。もういいや…と思ったら、音声も止めちゃえばいいし…と。
不謹慎だと思う方もいるかもしれませんが、リアル総会や説明会だったら、絶対に参加しなかったであろう人が、オンライン視聴で、完全ではなくとも、とりあえず説明を聞いた…ということは、大きな成果だと私は思います。
で、どうしても意見を言いたくなったら、会場へ駆けつけるということも可能なのですから(笑)。
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