真価が試されるバイデン外交と日本外交が果たす大きな役割
【アメリカはもう世界の警察官ではない】
オバマ大統領はそう宣言して、世界各地へのコミットメントの拡大をやめるという方向性を示し、トランプ政権は、オバマ政権を批判しつつも、そのコミットメントの縮小をさらに進め、その流れは、思いとは反対に、バイデン政権にも継続しています。
国際協調への復帰を旗印に、いろいろと外交的な攻勢を強めるバイデン政権ですが、オバマ政権がスタートし、トランプ政権によって確定路線となってしまったアメリカのグローバル情勢からの離脱という亡霊は、バイデン政権に思ったような仕事をさせてくれず、アメリカが誇ってきた、軍事と経済力に支えられた外交的神通力の復活を幻にしてしまいかねません。
中国との対峙、中東アフリカ地域へのコミットメント、インド太平洋地域における同盟の再強化、そして大西洋をまたいだ欧州各国との関係修復、そして、かつてのライバルであるロシアとの微妙かつ複雑な距離感…これら多種多様なコマ・カードを、とてもデリケートなバランスの上で上手に扱うことが出来るか。
その真価が今、試されようとしています。
成功すれば、アメリカは再度、世界の覇権的な地位を絶対にしますが、同時にコミットメントの必要性が増えます。
しかし、失敗すれば、中国の影響力が増すばかりでなく、トルコ、ロシアといった地域大国による国際情勢のかく乱が顕在化し、世界はまた協調からブロック化への道をたどることになるかもしれません。
【日米同盟こそが、日本外交の基軸】
そう謳う日本外交が果たす役割は非常に大きいと考えますが、果たしてその重責を担い、アメリカの真の同盟国として、世界情勢のキャスティング・ボートを握る外交を行えるか。そしてそのための戦略を持ち、実施できるか。
それが今後の日本の針路をも決定する要因になると考えています。
皆さんはどう思われますか?
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