上野動物園のパンダ・シンシンが双子を出産し日本に歓喜を呼んだ2週間ほど前、南アフリカの女性が10つ子を出産したニュースが世界を驚かせていました。そしてもう一つ、出産関連で話題となったのが、中国の海軍医科大学で子宮を移植されたネズミのオスが妊娠・出産に成功したという話。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、中国の実験に加えてニューヨークでの研究にも触れ、男性が妊娠、出産する社会の到来について言及しています。
世界初の実験成功!ネズミのオスが赤ん坊を出産!次は人間か?
ぶっちゃけ、日本でも中国でも少子化の波が押し寄せており、日本ではこの傾向が続けば、今世紀末には「地球上から日本人がゼロになる」と言われているほどである。そんな折、驚くようなニュースが南アフリカから届いた。
何と、37歳の母親が一度に10人の赤ん坊を出産したというではないか。事前の超音波検査では8人の赤ん坊と診断されていたらしいが、ふたを開けてみると、7人の男の子と3人の女の子、計10人の赤ん坊だった。
母親も父親もビックリしたようだが、「とても嬉しく、感動しています。言葉もありません」と応じている。もし、確認されれば、ギネス記録を塗り替えることになるだろう。
とはいえ、このようなケースは極めてまれで、世界的には少子化の流れには歯止めがかかりそうにない。と同時に「女性に家事、出産、育児の負担が過重にのしかかっている」との指摘も聞かれる。「男性にも平等に妊娠や出産の責任を分担して欲しい」といった要求も出てきそうだ。
実は、そんな声を先取りするかのような実験の成果が話題となっている。お隣、中国でのこと。生命科学の専門サイトによれば、上海にある海軍医科大学では、この度、オスのネズミを去勢し、メスの子宮を移植させた上で、このオスのネズミによる出産に成功したという。実験の成功率は3.68%と限定的ではあるが、生まれた10匹の子ネズミは順調に育っているようだ。
いずれにせよ、「世界初の実験成功」ということで、中国のみならず、世界の医学界では大きな話題を呼んでいる。もちろん、賛否両論が入り混じっていることは言うまでもない。
オスによる妊娠そして出産ということは、現段階ではネズミに限られているようだが、将来的には他の哺乳類への応用も視野に入っているに違いないからだ。実際、中国の研究者たちは「人工的に哺乳類のオスによる妊娠を可能にした意味は大きい」と胸を張っている。
一方、アメリカのニューヨーク医科大学では既に「人間の男性に女性の子宮を移植する研究」を進めており、その内容は「医療倫理ジャーナル」誌に詳しく紹介されている。こちらの場合は「トランスジェンダー時代のニーズに応える」ことも視野に入れているというから、発想の面では中国より先を行っていると言えそうだ。
しかし、実際にオスを妊娠させ、出産まで成功させたのは中国である。ぶっちゃけ、遅かれ早かれ、オスや男性が妊娠、出産する「平等な社会」が実現するかも知れない。
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