小池知事の誤算。「都民ファースト」への裏切りで消えた首相の座

 

地産地消経済にすると、エネルギーと食糧などで分散化した社会の方が効率が良い。江戸時代でも地産地消社会であるが、藩が地方独立経済圏を作り、分散化した社会であった。

エネルギーと食糧を海外から無制限に入る時代は、都市で集中化した方が生産効率が良いが、エネルギーと食糧を自給する時代は、地方分散の方が生産効率が良くなる。このため、地方分散社会になる。

このため、日本は自給自足経済になり、地方分散の鎖国経済になる。企業も工場の国内への逆戻り現象が起きている。国内賃金が相対的に安くなり、均一な労働者がいる日本の方が生産コストが低いためだ。

そして、地方の方が生活費が安くて、生活がしやすいので、工場を地方に作り、都市から労働者を移住させて来ることになる。その上、このコロナで東京は、パンデミックに脆弱であり、テレワーク化が進み、地方に住む人たちも増えている。パソナが淡路島に移転したのは、その先駆けであろう。

日本の強みは、平均的で割かし高品質な労働者が、どこでも確保できる国であることで、国民の5%しかいない知能の優れている人の国家ではなく、中の上な国民を中心とした国家であり、その人たちに適合した国である。このため、多くの労働者が勤勉に働くことで利益をもたらす農業や製造業などに適合した国なのである。

この人たちの国は、全員が日本的な規範を持った均一性のある社会を構成している。

このため、国民の5%の優秀な人しか活躍できないITなどの分野では、大きく遅れているし、この上の人たちの給与は、諸外国に比べても低く、中の下以下の人たちは、非正規社員化して給与も少ない。反対に、中の上の人たちは、大企業で正規社員の給与で、一番高いことになっている。

このため、将来、日本から優秀な人は海外へ出ていくし、この人たちが蓄財して、帰国後、起業する国になる。日本は割かし優秀な人がそろうし、海外から日本に来る人たちも中の上の人たちになる。日本は、中流国家にしかなれないようだ。この国の構成がそうしている。

このため、日本をよりよくするには、下や中の下の人たちでも正規の仕事できる環境を作り、生活できるレベルの給与も確保できることが必要である。ワーキングプアという存在は無くさないといけない。このためには、最低賃金を上げる必要にもなっている。そして、貧困層には、人口減少対策からも育児給付や学童給付などを実施することである。

逆に、IT企業は、世界から優秀な人を確保したければ、給与体系や人事制度を世界に合わせる必要になる。

そして、企業も大きくしたいなら、海外に出ていき、給与体系も人事体系も世界標準にして、トヨタのように国内部門と世界部門とを分けた人事体系・給与体系を行う必要になる。

AI、ロボットなどの発達で、日本は人口減少になるが、中の上の労働力もAIなどに置き換わることになる。しかし、あと10年ぐらいは、置き換われないので、人口減少は日本の国力の劣化につながることになる。

このため、日本の江戸化をこの10年で進化させる必要があるのだ。都市集中の時代から地方分散の時代に、コロナ後の時代は大転換期になり始めるようだ。

もう1つ、金融緩和だけのアベノミクスが大失敗であったことが明確化してきている。早く、このコラムが提案する産業政策を実行しないと、益々、日本は衰退していくことになる。

さあ、どうなりますか?

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image by: 首相官邸

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