そして競馬もです。
父はよく競馬のテレビ中継を見ながら私に電話をしてきました。
私はインターネットでレース発走の1分前まで馬券を買えるので「馬券を買ってほしい」という依頼の電話です。
「今、テレビでパドック見てるんだけどね、1番良さそうな馬は○番の馬よ」
「うん、その馬は1番人気の馬だよ。それも鞍上もルメール(人気騎手)だよ」
「この馬を買おうと思うから、ミーミー買っておいてくれ」
「わかった。どんなふうにいくら買うの?」
「複勝(3着以内に入れば配当)300円でよろしく!」
「は?複勝?単勝(1着を当てる)じゃなくて?」
「そう!複勝!」
「複勝3,000円じゃなくて300円!?」
毎晩遊びまわり、お金を落として歩いていた父。
こんな時は思い切って使ってくれるかと思いきや、ガッチガチの1番人気の単勝倍率1.3倍とかの馬の複勝を買うというのです。
しかも複勝でも高額でバーンと買うならわかります。300円ですって。どんだけ堅いんだよ。
しかもその究極に堅い買い方でもはずしたりする。恐るべし。
決してギャンブルを推奨するわけではありません。
しかし、実生活であんなに危ない橋を渡りまくり、無駄遣いをしまくったギャンブル人生だったのに、遊びのギャンブルはお堅いのです。普通…この逆じゃないですか!?実生活を堅く生きてほしかった…。
私は思いました。結婚するならこの逆のバージョンの人がいいなと。
父を反面教師にすると、大体のことはうまくいく。
ある意味、幸せの教科書のような人でした。
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