緊急事態宣言中に“オリンピック強行”の支離滅裂。「悪夢の菅政権」が自ら崩壊する日

 

ただし、唯一の望みは、ここまでどうにかこうにか続けてこられた菅政権が、ここに来て一気に「崩壊」のリスクが拡大してきたという点。

今の政局で言えば、少し前まで菅政権は五輪がつつがなく成功すれば、あと3年続投も致し方無いか……と言われてきていたのですが、この緊急事態宣言で「五輪成功で、菅さん大人気→総理続投!」っていう芽が事実上無くなってきたわけです。その結果、菅おろしが一気に自民党の中で拡大していく公算がどんどん高まっているのです。

具体的に言うなら、これまでは、

【オプションA】
「9月に菅総理が解散総選挙を行い、自民勝利→ 10月の総裁選で菅総裁・続投決定、菅政権続投」

【オプションB】
「9月の総裁選で菅総裁・続投決定→ 10月の衆院選で自民勝利、菅政権続投」

が考えられており、いずれにしても菅政権続投だろうと言われていたのですが、今回の宣言によって、この両オプションの芽が急速になくなりつつあるのです。

なぜなら、菅総理が国内で大バッシングされ、「菅による解散なんて許さない!そんな事されたら、自民党はぼろ負けするじゃないか!」という雰囲気が自民党内に一気に広がったからです。

もともと菅氏は、党内での基盤が脆弱で、安倍内閣からの流れで、二階幹事長の差配で「たまたま」総理大臣になれただけの人なので、菅政権そのものが元来、不安定な存在だったのです。

党内には今3Aといって「安倍・麻生・甘利」の三人が最大勢力を誇っていると言われています。そして、この3Aは、今、ポスト菅を自分達で作り上げるための調整を図り続けています。だから、何にしても彼等は菅政権を早く終わらせたいと考えているわけです。

一方で、それと「対立」しているのが二階氏で、いま菅総理の頼りは、二階氏だけだと言われています。

で、二階氏が3Aと対立するのは、3Aが政権を取れば、二階氏を幹事長にせず他の人物を幹事長に推すことになると見込まれているからです

そして二階氏は、菅内閣が続く限り幹事長を続けられます。だから二階氏は、いま3Aと対立しながら、菅政権の継続に加担し、それを通して幹事長の続投を狙っていると言われています。

すなわち、もし二階氏が菅総理を見限り、他の人を総裁候補に推せば、菅総理は後ろ盾が全くなくなり、総理続投は不可能となります。そして二階氏は、そうする可能性は十分にあるのです。そもそも二階氏が菅氏を推してきたのは、そうすることで自身が幹事長になれるからに他なりません。つまり二階氏にとって菅総理は、自身が幹事長になるための「道具」でしか無いわけです。

だから二階氏にとっては、自分を幹事長にしてくれる人物なら、菅である必要性など何もないのです。だから、二階氏は、菅よりも別の人物の方が、自分を幹事長になるために有利だと判断すれば、瞬時に菅を見限るわけです。

そして今、国民から激しく批判されはじめた菅氏は、二階氏が幹事長で居座り続けるために必要な「道具」として急速に魅力がなくなりつつあるのです。

その結果、今、上記のオプションA、Bとは別の、下記のオプションCが実現する可能性が急速に拡大しつつあるのです。

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