DXへの誤解、間違った期待
そういった中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が流行ってきました。古くのERP、ASP、クラウド、データベース、RPAなどの次の言葉として、もてはやされています。実際、ITベンダー、SIer、ITコンサルティング会社などがこれ幸いと話題にしています。「あなたの会社のDXをお任せください」という会社もどんどん湧き出ています。
ただ、彼らは収益力を抜本的に上げる「企業の根本的な事業構造見直し」「ビジネスモデル(金儲けのしかた)の再構築」などには踏み込まず、表面的なIT化、デジタル活用にとどまっています。
企業側も、経営者が腕まくりして事業構造改革に取り組み、顧客満足度を大幅に上げ、利益を急拡大し、その手段としてのIT活用を強力に牽引しているというケースは、ほぼ聞きません。
DXの本質とは、「経営者主導の事業構造改革」
企業の競争力を抜本的に強化するという本来の目的に立ち戻って考えるならば、DXの本質とは、「経営者主導の事業構造改革」ということになります。つまり、経営者がどう本気で「事業構造改革」に取り組み、仕事のしかた・組織のあり方を根本から見直し、最低10年、やり続けるかどうかです。その中で、ITを徹底的に活用します。Amazonは1994年から全力疾走し続けているのは、ご存じの通りです。
結局、事業構造改革とは、儲け方を根本的に変えること、ビジネスモデルをゼロベースで見直すこと、自分で自分の本業を否定して、生まれ変わることです。日本の電機産業が数十もの事業を温存して、何とかデジタル化を進めようと言い続けているのとは別次元です。
(来週のその2に続く)
(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年7月12日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)
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