人間誰しも、褒められれば嬉しく感じるもの。しかし世のお母さん方は、圧倒的にその機会が少ないと言います。そうであるならば、一番身近な配偶者が積極的に褒めるべきではないでしょうか。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、男性方は少なくとも1週間に1回は妻を褒めるべしとして、その具体的な取り組み方をレクチャー。さらに「正しい愚痴の聞き方」も紹介しています。
妻を褒めよう
わたしは小学校教師のころ、連絡帳などを書くときに、子どもだけでなく、その親も褒めるよう努めていた。
すると、あるお母さんがこんなことを書いてくれた。「先生、わたしは母親になってから初めて褒められました。ありがとうございます」。
懇談会で話したら、ほかの多くのお母さんたちも「褒められたことがない」と言い出し、その話題で盛り上がったことがある。
お母さんたちは結婚前、あるいは出産前までは、いろいろな場で褒められるが、いざ子どもを持つと、「ちゃんと育てて当たり前」「うまく家事を切り盛りして当たり前」と、褒められる機会がなくなってしまう。
学校でも先生方は、子どもを褒めても母親までは褒めない。お父さん方も妻を褒めないし、おばあちゃんやおじいちゃんも褒めてくれない。
世の中の多くのお母さんたちは、「こんなに頑張っているのに、どうして誰も褒めてくれないのかしら」と本音で思っている。
褒めるきっかけ作り、仕組み作り
だから、このコラムを読んでいる男性方は奥さんを意識的に褒めようではないか。
「自分だって妻に褒められたことがない」とか「子育てや家事も大変だろうが、こっちだって仕事が大変なんだ」と思うかもしれないが、そんなケチなことは言わず、心を広く持とう。まず「隗より始めよ」だ。
子どもと一緒にいる時、「○○(子どもの名)に笑顔が多いのはママのおかげだな」とか。「元気に毎日働けるのも、君のおかげだ」「君が元気に家を守っているから、仕事を頑張れるよ」など、できれば1日1回、少なくとも1週間に1回は褒めよう。
といっても、簡単な決意だけでは人間、なかなか続かないし、そもそもやり慣れないことは始めにくい。そこで、妻を褒めやすくする工夫や仕組みを考えよう。
例えば、仕事で使っている手帳に「妻を褒めるスケジュール」を書き込む。1日おきとか、少なくとも週1回、褒める日をつくってスケジュールに入れておく。あるいは粘着メモで張り付けておいてもいい。
ケータイを活用する手もある。ケータイのアラーム機能を使って、毎週○曜日の○時になると、音楽やアラームが鳴り、妻の笑顔の画像が出るようにしておくわけだ。
また、Googleにはカレンダー機能があり、特定の時間に自分宛にメールを送る「リマインダー」というサービスがあるので、それを使って「さあ、妻を褒めよう」とメールを送ってはどうだろうか。
さらに、ケータイやパソコンのメールで、奥さんに褒め言葉を送るという方法もある。「今日は7時に帰るよ。いつもありがとう」などと、帰り際に簡単なメールを送って、さりげなく感謝の気持ちを込めよう。
メールだと、恥ずかしくて口に出せないことも書けるので、使いようによっては夫婦関係、親子関係の円滑化に効果的だ。