ホテルに連れ込まれる女子高生を救助。探偵が遭遇した性的いじめの一部始終

 

いじめの内容

A子さんは、中学から大学までがある学校に、受験をして高校から入学した。すでに人間関係ができている中であったが、高校1年生は平和に過ごしていた。ただ、別のクラスにいじめがあって、退学した子や不登校状態になっている子がいることは知っていたが、他人事であった。

しかし、高校2年生に上がり、クラス替えがあってその加害グループと同じクラスになって状況は一変した。

加害グループに目をつけられたA子さんは、その中心人物の誕生会だと呼び出されたが、誰もいないところに呼び出され「ボッチA子」というLINEグループを作られたりした。

リアルには無視があり、1年生の時の友達や部活の友達と話したり、お弁当を食べていると、その友達が加害グループに呼び出されて、孤立させるようにしかけられたりした。

追い打ちはさらにあり、A子さんの家庭事情にも及んだ。

A子さんは兄とは10歳違いで、保護者は他の保護者より年齢が高い。ただし、A子さんの母親は若作りで年齢が若く見られることがあり、それを加害グループが、あたかもA子さんに相談されたように装って、「略奪婚で生まれた子」というように噂を立てたのだ。

これについては、保護者から学校に相談があり、学校側は対処するとしたが、結局、有耶無耶になって終わってしまったそうだ。

その次は、なりすましの被害だった。

SNSでA子さんのなりすましがあり、人の悪口を書き込んでいたり、明らかに嘘という投稿が次々とされていた。A子さんがそれに気が付いた時には、完全に学校では浮いた存在なっていたそうだ。

しかも、そこには、缶酎ハイを飲んだ後の写真も投稿されており、それが原因で担任から指導が入ったということもあった。

結局、なりすましだということは信じてもらえなかったが、教師からは「なりすましとも、なりすましではないとも言えないから、とにかく気を付けるように」というあいまいな言葉をかけられ、A子さんは学校を完全に信用できなくなってしまった。

そこで、A子さんは加害グループと話をつけようと考えたのだが、加害グループが出した条件は、なりすましのアカウントでやり取りしている男に会うことであった。

そのやり取りをチラ見した限り、性的関係を求められることは明らかであった。

そんな時に、母親と何となく見ていた番組を思い出し、あの必死な人と話してみたいと思ったというのが電話の真相であった。

電話は結局3時間ほどかかった。

対面

翌日、私はA子さん保護者に同席してもらい、さらに詳しい状況を確認した。

そこで、わかったことは、「学校は全く関知してこない」ということであった。保護者が学校と話した際の録音を聴くと

副校長 「正直、問題は収めてもらいです。私どもは私立ですから」

簡単に解釈すれば、いじめ被害者1人が退学するのと、加害グループに処分を出すのでは、加害グループの方が数が多くて損害が大きいという意味だろう。

私は何度かこの地域の私学部に当たっているが、どこか上の空というのが特徴であり、私学の自由を理由に動かないことはわかっている。

ちなみに、私立校は教育委員会管轄ではなく、私学部や私学振興課という部署が担当になるが、ここでまともな部や課に当たったことは、私はまだない。たいていは、「いじめ問題を持ってこられても困るという対応」なのだ。

ただ、今ある証拠類から再度交渉をかけることは正攻法でもあるため、私は一度持ち帰って問題についての意見書を作ることにした。

また、本人からSNS運営サイドに「なりすまし」の報告をしてもらい、保護者には警察への相談をしてもらうようにして一旦解散となった。

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