ホテルに連れ込まれる女子高生を救助。探偵が遭遇した性的いじめの一部始終

shutterstock_1442467184
 

これまで数々のいじめ問題を解決に導き多くの子供たちを救ってきた、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな阿部さんの下には、全国から助けを求める声が引きも切らないと言います。今回阿部さんは自身のメルマガ『伝説の探偵』で、1本の電話から始まったとあるいじめ事件の一部始終を紹介。張り込み現場で展開されたのは、壮絶と言っても過言ではない光景でした。

メルマガのご登録により阿部さんの活動を支援することができます

 

久しぶりに連絡があった元いじめ被害者のケース

「たすけて」

一昨年、高校2年生になる女子生徒からの電話の第一声は、聞き取れないくらい声で「たすけて」の一言であった。

その後の言葉はなく、沈黙状態であった。

いろいろと質問をしようと思うが、非通知ということもあり、電話を切られてしまったらその先が続かないため、スピーカーを大きくして、耳で何か周囲の音を聞き取れないか探った。

電車の音、車の音、コンビニなどのお店特有の音、音は何かの手掛かりになる。場所さえ特定できれば、スタッフに行ってもらうこともできる。

しばらくしてから、「おじさんはテレビに出ていた人ですか?」というのが次の言葉だった。「そうだと思う」と答えると、「最後の方で、何か必死に、いいから相談してこいって言ってましたよね」と言われた。

確かに番組の中には、意見の平等性を意識し過ぎて、「いじめはいけない」というメッセージを結果的に薄めてしまうコメンテーターを私にぶつけてくるものがある。それはそれでいいのだが、ゲストで一見の私と、番組慣れしたコメンテーターとでは発言量や発言していいタイミングなどで大きな差があり、アナウンサーなどが、話を均等には振ってこない場面に遭遇すれば、私は反論の機会を失ってしまう。

多くのコメンテーターのやり口は問題のすり替えだ。いじめ問題の場合は「教員の忙しさ」「学校こそがブラック労働だ」というすり替えを巧みにやってくる。

いつの間にか、いじめの問題点ではなくて、学校の教員労働の問題にすり替えられてしまうのである。こういう番組を見て、どれだけの被害者が落胆するか、その落胆が「もう生きててても…」という諦めに繋がるかもしれないということに、誰も目がいかない。

番組は、両者の意見がぶつかってよかったねとなり、当のコメンテーターは、論破したと意気揚々となるだけなのだ。

そうではない番組多くあるし、強い信念を持っている人がいることは確かだが、あの時は確かにそうだった。

私は残り何秒というカンペが出て、焦って吠えたのだ。

「いじめは絶対にダメだ、教師なんて関係ない、困ったら俺のところにこい、来たらいい」

そんな言葉で一旦CMというやつだった。

たいてい、いつもはそのあと、番組の人が来て、色々とお話しするのだが、あの時は、「何やってんだ、こいつ」という目で追い出されるように、スタジオを出た。

私は「ああいう感じで番組しめられても、嫌だからね。そんな簡単な問題じゃないって知っているからね」と答えた。

そこから、彼女(以下「A子さん」という)は安心したのか、話し始めた。

メルマガのご登録により阿部さんの活動を支援することができます

 

print

  • ホテルに連れ込まれる女子高生を救助。探偵が遭遇した性的いじめの一部始終
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け