まだNYは大丈夫。在米日本人が偶然遭遇したこの街の「真の魅力」

 

(2)ノーム・ルイスさん

ことの始まりは、ニューヨークのハドソンリバー沿いに、2億6,000万ドル、日本円で約260億円もの大金をかけて作られ、今年6月にオープンしたばかりの人口の小さな島、その名も「リトルアイランド」からはじまります。

このリトルアイランドに関する詳しい情報はまた改めてお届けしたいと思いますが、とにかくそのリトルアイランドの魅力についていろいろと調べていたところ、いかにもニューヨークらしい感動の物語を発見。

まず最初に注目したい人物は、ノーム・ルイス(Norm Lewis)さん。

ブロードウェイミュージカルの最長ロングラン記録を持つ『オペラ座の怪人』の主役である怪人役を黒人(アフリカンアメリカンともいいますね)で史上はじめて演じられたというスーパースターです。

昨年からアメリカではブラック・ライブス・マター運動など特に黒人の差別をなくそうという様々な活動も拡大していますが、それよりもずっと前から自分ができることに全力を尽くし努力を重ねて自ら黒人の地位を高めてきた素晴らしい人物です。

おそらくは恵まれた環境ではなかったはずなのに諦めることなく夢を追いかけ続けてきた…、普通に考えても、『オペラ座の怪人』の主役自体、人種など関係なくそんじょそこらの努力でなれるものではないです。それに加えて人種の壁があり、これまで白人が演じてきたことを最高と考える劇場関係者や観客支援者などはいたはずです。そういった状況で史上はじめて主人公を演じたルイスさんはとてつもない人物ですし、間違いなくミュージカル業界の最高峰の1人でしょう。

そんなノーム・ルイスさんがステージ上で生で素晴らしい感動的な歌を歌っている場面に、リトルアイランドで偶然たまたま遭遇したのです。

それもリトルアイランドの野外劇場です。で、実は、これ、ノーム・ルイスさんの歌を聞くためにリトルアイランドの劇場にいったわけではなかったんです。

このリトルアイランドには大きな劇場の他にもう1つ小さなステージと2つありまして、その日は小さなステージで行われたボサノバとタップを融合した、いかにも多様性の街ニューヨークらしい無料のショーをみにいったのです。

その様子は1時間丸々みられる動画にしているのでご興味ある人はどうぞ。観るだけでご機嫌になれる動画です。

ご参考:

Little Island NYC Sunset Sound Bossa Tap Trio, 4K Ultra HD

そんなわけでこのボッサトリオのイベントを見に行くのも兼ねてリトルアイランドに行ったのは平日でしたが、その週末に予定されていたのがノール・ルイスさんが出演するイベント。

しかもリトルアイランドの劇場ではじめて催される有料のイベントのリハーサルが偶然たまたま行われていたんです。

そこにノーム・ルイスさんもいて生歌を披露してくださったのです。

その日にリトルアイランドの野外劇場を訪れていた人なら誰でも無料でみられるようなってました。

前述したようにルイスさんは黒人として史上はじめてブロードウェイミュージカルの頂点といってもいい『オペラ座の怪人』の主役をつかみとったわけなんですが、歌ったのがディズニー映画ヘラクレスの劇中歌「Go the distance」(遠くへ)でした。

自分をヒーローとして受け入れてくれる場所を求め、どこまでも進もうというそんな前向きなメッセージがこめられた歌で、背中を押されるような勇気がわいてくる歌です。

ルイスさんが歌うということを事前にわかっていて聞きにいっても胸をうたれると思いますが、これ偶然たまたまこんなところに遭遇したら感動も驚きも何倍にもなります。

私のようにたまたま偶然遭遇した他の人たちの中には感動して涙を流していた人もいました。スタンディングオベーションは当たり前という感じ。

それに、何よりこのイベントは、コロナ禍を乗り越えたニューヨーカーの方々を勇気づけ希望を持って新しい未来を切り開いていこうというメッセージが込められた特別なイベントだったのです。

だからこのノーム・ルイスさんもそうですが、その他の方々の演目もすべてポジティブで希望があって人々を勇気づけ立ち上がらせるような曲ばかりになっていました。

で、繰り返しますが、たまたま偶然遭遇したのはリハーサル。そして一般公開していて、同じように偶然たまたま通りかかった私のような他の一般人も自由に無料でみれるようになっていたのです。

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