さらに、旭川市教育委員会はとんでもない問題を露呈している
旭川弁護士会のホームページには、「会長表明・意見書等」との表記で、第三者委員会の委員になる弁護士に対する報酬があまりに安価で、その一方でその業務は多岐に及んで他業務を行うことができず、事務所の維持に問題が生じ得るという内容が書かれている。
簡単にいえば、法の番人であり唯一の専門家であろう弁護士は社会的な意義から、このような委員会に召集されればその役割を果たさなければならない立場であるが、ここまで重要な問題に対して、ほぼボランティアに近い状態でやるのはさすがに厳しい。
ということだ。
旭川弁護士会は、日弁連の報酬基準と旭川市が基準とする報酬の差額を会が負担して、委員となる弁護士に支給するという。
正直なところ、市長がやると言ったんだから、「予算くらい用意しておけ!」というところだろう。
8月中の報道では、廣瀬爽彩さんが性的な被害を受けている事実を知りながらも、教頭は「加害者10人の将来と被害者1人の将来、どっちが大切か?」などと母親に言ったということが報じられているが、教育と言えないバカなスキャンダルを垂れ流す恥の上塗りをし続けた上、さらには、本来最後の砦となるべき、第三者委員会においてもケチのレッテルが付く。恥の上塗りを続けているわけだ。
まともに動かない典型的パターン
第三者委員会を設置してもまともに動かないパターンはいくつかあるが、その多くは下記のような特徴がある。
- 委員会形成に問題が生じている
- 情報が少ない
- 何やっているかわからない
- 誰が委員か公表すらされてない
- 設置要項が不明
さらに、重要な共通項がある。
- いじめ防止対策推進法第14条第3項に基づく教育委員会の付属委員会であり、問題となっている教育委員会が事務局を担う第三者委員会
旭川市いじめ凍死事件の第三者委員会は、上記のすべての条件を満たしている。
例えば、ご遺族側に情報が全く入っていないとして、当の西川市長が市教育委員会に「調査の進捗情報を伝えて」と申し入れをしているのだ。
その前には、ご遺族側についている気鋭の弁護士である石田弁護士が記者会見を開いている。
石田弁護士はいじめ防止対策推進法のきっかけとなった大津いじめ事件で代理人弁護士を務めた「いじめ界隈」では知識も実績もずば抜けているとされる弁護士である。
こうした弁護士が、ご遺族の手記を公開し、ここで「あまりに情報が少ない」としたことは、他と比較してもこの第三者委員会はその機能が果たされていないと思えるということだろう。私も色々な弁護士さんと問題に当たることがあるが、調査中の段階で申し入れをすることはあっても記者会見を開いてという場合は、相当怒っていると考えていいだろう。
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