誰もが「何かのオタク」時代、ファッション界にも“推し”はアリか?

 

3.推しマーケティング

「推し」の対象は、アイドル、声優、キャラクターへと拡大し、次第に生活の中に定着していった。どうせ使うなら、アイドルグループやキャラクターを象徴する色の商品を使いたいというニーズから、「推し色」グッズも人気が高まっている。

「パチェリエ」は、カラフルなパーツを組み合わせて、ポーチやアクセサリーを作る女児用玩具だが、好きなアイドルやキャラクターの「推し活」グッズとして若い女性の人気を集めている。

パイロットコーポレーションが2021年3月に発売したシャープペンシル「推し色ドクターグリップCL プレイボーダー」は、限定色のシャープペンシルとカラー消しゴムがセットになっている。複数のカラーを展開し、かつペン軸は自分でデコレーションしやすいスケルトンデザインを採用。「推し活をしている人の中には、うちわなどグッズを自作する人がいる。そういったDIY好きの人との親和性も高いのではないか」と考えた。

そして、カラーバリエーションを選ぶ際、ジャニーズやももいろクローバーZなどのアイドルグループのメンバーカラー、「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」といったアニメのキャラクターなどのモチーフカラーを書き出しし、その中で使用率の高い色を参考にしたという。

4.「ブランド推し」の可能性

「推し活」を商品のカラーMDに活かすことは、商品に推し活商品の要素を加えることである。これは、彩度や明度をコントロールすれば、ファッションと推し色を両立することは可能だと思う。もし、プロモーションで推し活対象のキャラクターとブランドがコラボ展開できれば、相乗効果をあげることも可能だろう。

但し、この場合は、あくまでキャラクターが主役であり、ブランドは脇役である。どうせなら、ブランドを推して欲しいのだが、それにはどうすればいいか。

最早、推しの対象は信仰の対象に等しい。そして、そこには偶像=アイドルが存在する。偶像と言っても、人である必要はない。アニメのキャラクターでも推しの対象になる。何らかの形状を持ち、人格があること。そして、信仰や礼拝の対象になる存在である。

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