「コロナ太り」も売る機会。売り伸ばしたければIT企業とコンビニに学べ

 

顧客はモノやサービスが欲しいのではなくて、そのモノやサービスを買って、使ったら自分がこうなる、という「効用」や「便益」が欲しいので、このコミュニケーションはとても的を得ています。「タンパク質が含まれています」、と言われてもピンときませんが、このように、「多くとれると、じぶんがこうなる」、という効用が描かれていると、買ってみようという気持ちになれるのです。

また、どうしても、“健康にいい食べ物”と言われると、「体に良いのはわかるけど美味しいのかな?」、と思ってしまいがちです。

セブンイレブンではさらに、タンパク質、食物繊維、糖質控えめ、の食品には、それぞれに小さくて丸い形のステッカーを作り、商品に貼っています。買う人にしてみると、何を摂取できるのか、がわかるので、ちょっと買ってみよう、という気持ちになります。日経MJによると、セブンイレブンのこの健康商品シリーズ全体の販売額は、コロナ前の20年1月に比べて7割増えた、とのことです。

コンビニ他社も力を入れていて、ローソンでは、健康機能性ベーカリーの販売が、やはり昨年同期比で約4割増加しましたし、ファミリーマートでも、大麦入りのおにぎりが売れているそうです。

コンビニでは、限られたスペースに、売れるものを厳選して置き、売らなければなりません。なので、このように、何が売れるかをいち早く察して、品揃えすることが大事です。そしてさらに、ナショナルブランドだけでは、他社と差別化ができないので、PBのような、自社だけの商品開発が、磁石のように顧客を引き寄せる“マグネット商品”として、来店する決め手になります。

ここのところ、PBも値段の安さだけではなく、セブンプレミアムシリーズのような、少し高級でいいものを開発したり、この健康シリーズのように機能性を充実させたりと、各社が工夫を凝らしています。

「今までの商品が売れなくなってきた」「思うように売り伸ばせない」という売れない問題の根っこには、これらの事例のように、伸びる、とか、大きい、というチャンスを見つけること、すなわち“市場機会”を見つけられるかどうか、があります。PEST分析など、便利なフレームワークを使って、市場の変化に敏感になって、売り逃しをなくして、売り伸ばせるように、していきましょう。

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image by:Tooykrub / Shutterstock.com

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