政府による虐殺やレイプも。建国以来最大の危機に陥る「多民族国家」の空中分解

 

個人的な見解になりますが、崩壊はもう時間の問題かと思います。

2018年にアビィ・アハメド首相がノーベル平和賞を授与された際、同じ年齢で、かつ同じく世界経済フォーラムのYoung Global Leaderに選出され、私が国連紛争調停官時代から知り合いだったものとして心からの祝意を送り、感謝の返答ももらった身としては、現在、彼が行っていると言われていることはとても残念でなりませんし、彼が成し遂げようとした多民族国家における安定の確立も崩れようとしていることは残念です。

紛争が泥沼化し、また残虐化していくにつれ、数度となく私のグループにも調停のオファーが来るのですが、どうしてか、エチオピア政府の同意が得られず、公式な調停・仲介・仲裁の任に就くことが出来ずにいます。

そのような政治的な駆け引きがなされ、国連安保理で非難合戦が続く間にも、数万人単位で生命が失われており、その多くが罪のない子供たちです。

ティグレ周辺地域のインターネットが政府によって遮断され、現地に入っている支援部隊などとも連絡が取りづらい状況ですが、時折寄せられる報告と情報に触れるたび、言葉を失っています。

日本政府の素晴らしい国際的貢献の一つに「アフリカ開発会議」(TICAD: Tokyo International Conference on African Development)があり、日本とアフリカとの関係も近くなってきました。

そして今回、懸念となっているエチオピアも、実はコロナがなければ直行便が就航する計画があったほど近しい関係にあると言えますが、それも今後、どうなるか分かりません。

アフリカへの貢献の一つの具体例として、かつてアフガニスタン支援を取り仕切ったように、何とかエチオピアの悲劇を食い止める役割を、日本政府には果たしてもらいたいと切に願っておりますし、もちろんお手伝いしたいと思っております。

今回の内容を書き終えようとしている今、ちょうど情報が入り、紛争がまた拡大し、多くの犠牲者が出ているとのこと。そして、その中には、国連職員やNGO職員などの国際スタッフも含まれるとのことですので、とても気をもんでいます。

一刻も早く、解決策を見つけるお手伝いができれば…そう願いつつ、今回はここで終えたいと思います。

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