「何もない」日常にも喜びを発見。阿佐ヶ谷姉妹的生き方のススメ

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心が動かない、つまらない人生です──。40代独身女性からの静かでありながら悩みの深さが感じられる相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤かおるさん。穏やかで代わり映えしない日常を送っていても、少しの変化に気づき楽しむ阿佐ヶ谷姉妹のような生き方を提案しています。

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ちょっと御相談がありまして:自分の人生がむなしい

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Q.
40代女性。独身です。いつからかは定かではないのですが、何をするにも全くやる気が起きません。新卒の頃から一般職として同じ会社にずっと勤めていて、事務仕事をしています。若い頃はそれなりに友人と遊びに行ったり、彼氏ができたりしていたのですが、30代前半あたりから、友人たちは続々と結婚し、子どもが生まれ、なんだかステージが変わってしまいました。その頃に恋人と別れ、それからはずっと一人です。

趣味もこれと言って特になく、周りがハマっているという韓流ドラマなども見たりしたのですが、「ふーん、おもしろいな」くらいの感想です。親も周りも結婚についてなど、もう何も言わなくなりました。コロナ禍になり、3、4日他人と一言も言葉を交わさないなんてこともザラです。

朝起きて、出社するか在宅かどちらかで仕事をし、食事を一人でし、お風呂に入り、寝る。もうずーっとこんな生活です。このままが60歳とか65歳まで続いて、そして死んでいくのかな。今のままだとそうなりそうですが、なんだかむなしいです。だからといって、なにかを始めようとか、新しい出会いをとかの気力が湧かないのです。心が動かない、つまらない人生です。

永藤より愛をこめて

すごく静かに流れていく川みたいな印象を受けました。私はあなたよりも少し上だけど、結婚して家庭をもった友人たちを見て「ステージが変わったな」と思ったりしたことも同じようにありました。何とも言えない喪失感というか、置いてけぼりを喰らった感というか。

話は変わりますが、今、テレビで見ない日はないと言えるタレントさんの中に、阿佐ヶ谷姉妹さんたちがいます。同じ疑似姉妹でも、超ゴージャスな叶姉妹とは大違いな、本当に近所に住んでいそうな普通の中年女性である彼女たちがこんなにも年代を超えて支持され、愛されるのには、どんな要因が潜んでいるんでしょう。

それは、「普通」であることのパワーだと思うのです。スーパーの野菜の値段に一喜一憂し、近所に美味しい和菓子屋さんがあればひいきにし、たまのぜいたくに鰻や洋食を食べたりし、100均で買った便利グッズに感心し、隣町のスーパー銭湯に行くのが月に一度の楽しみだったりするのです。

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