彼女たちの日常にめくるめく恋愛模様とか、ドロドロの三角関係とか、壮大な復讐劇とかはありません。(実際どうなのかは知りませんが、少なくとも「阿佐ヶ谷姉妹」の設定の中にはないです)。「ほっこり」であり、「のほほん」であり、「何気ない普段の日常」が確固としてそこにあり、彼女たちが素直に喜怒哀楽を見せてくれるからこそ、人々はそこに「うんうん、わかるよ。そうだよね」と共感するのです。なにか特別なことではないことに対する彼女たちのあたたかくやさしい眼差しや言動が、私たち見る側を安心させるのです。
あなたはご自身の生活を振り返って、「なんだかむなしいです」とおっしゃったのですが、その生活を愛おしさのレンズを通して見てみることはできませんか?「あー、柿や栗がおいしい季節になったなぁ」「あ、サンマが先週より安くなった!」「今日はこんなに天気がいいから、外に干した布団がふかふかになる!」。それはひとつひとつ、幸せなことだと思うのです。
そりゃもちろん心ときめくような出会いがあったり、目が合った瞬間に恋に落ちるみたいなことがあればいいんでしょうけれど、多分その確率は低いです。そうだとしたら、今の自分の人生の一コマ一コマを、むなしいものから愛おしいものに変えていく方が、よっぽどプチ幸せを重ねることができ、そしてそのプチ幸せが積もり積もると人生の幸せになるのではないでしょうか。
阿佐ヶ谷姉妹さんから、なんだかそんなことを教わっている気がします。
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