「親ガチャ」大アタリの安倍麻生が、日本という「国ガチャ」をハズレにする

 

…そんなわけで、「親ガチャ」なんてものは、常に隣りの芝生が青く見える人たち、何でも他人のせいにしてばっかの人たちが考え出しそうな「言い訳」に過ぎない。自分の資質不足や能力不足や努力不足を親のせいにするための詭弁であって、平均的年収の家庭に生まれたのに成功できなかった人は、その10倍、20倍の年収の裕福な家庭に生まれても成功できない可能性が高い。逆に、平均的年収の家庭に生まれて成功できた人は、貧しい家庭に生まれても成功できる可能性が高い。

だから、あたしは「親ガチャ」という考え方に否定的だけど、「子どもはどんな時代に生まれるかによって人生が大きく変わるが、どんな時代に生まれるかは自分では選べない」という「時代ガチャ」は肯定する。これは「親ガチャ」という考え方から連想してあたしが考えたものだけど、今、これを読んでいるあなたが、今と同じ両親から同じ場所で生まれたとしても、もしも生まれた時代が違っていたら、あなたの人生は大きく変わっているかもしれない、という仮説だ。

たとえば、あたしは昭和47(1972)年生まれで、あと5日で49歳になるけど、あたしと同世代の人たちが、もしも50年早く生まれていたら、どうなっていたか?あたしの場合なら、17歳の時に第二次世界大戦が勃発し、23歳で東京を火の海にした東京大空襲を受けていた。あなたが大阪生まれなら大阪大空襲を受けていたし、他の地方都市の生まれなら、それぞれの空襲を受けていた。あなたが広島や長崎の生まれなら、原爆を受けていたのだ。

そして、あたしたちの父親は召集されて戦地へ送られ、あたしたちの世代でも、男性なら徴兵され、その一部は特攻隊員として空や海へ散って行ったのだ。ちなみに、最も有名な「神風特攻隊」でも命中率は1割以下、9割以上の若者が犬死にさせられたけど、特殊潜航艇「海竜」、人間魚雷「回天」、特殊特攻艇「震洋」などの海軍による特攻の他、戦車による特攻など陸軍の作戦も含めると、特攻隊員の総死者数は5,845人に上る。そして、「回天」を搭載して出撃したが、特攻作戦を決行する前に撃沈させられて未帰還となった母艦や潜水艦の搭乗員の総死者数は8,164人、分かっているだけでも、若者を中心に計1万4,009人もの男性が特攻作戦によって死亡している。

もしも、この1万4,009人の人たちが50年後に生まれていたら、つまり、あたしと同じ時代に生まれていたら、何人かは交通事故や病気などで死亡したかもしれないけど、大半の人たちは今も元気に生きていただろう。そして、若者には無限の可能性があるのだから、生きてさえいれば、この中から世界的なアーティストが生まれていたかもしれないし、日本を代表するトップアスリートが生まれていたかもしれないし、本当に国民のことを考えてくれる本物の総理大臣が生まれていたかもしれない。

こんなふうに考えると、現在のあたしたちは、裕福であろうが貧乏であろうが、どんな親のもとに生まれようが、取りあえずは「戦争のない時代に生まれた」というだけで「時代ガチャ」は「当たり」を引いたことになる。そして、もう1つの「国ガチャ」でも、あたしたちは「当たり」を引いている。

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