「米は中国を止めることなど出来ぬ」米中首脳会談の直後ある筋から届いた衝撃の一報

257124382_358186099583573_5812151435627935767_n
 

日本時間の11月16日、オンライン形式で行われた米中首脳会談。序盤こそ友好的なムードに包まれた雰囲気となりましたが、両国間に横たわる深い溝は如何ともし難く、亀裂の深さを際立たせるだけの結果に終わってしまったようです。米中両大国が、ここまで対立姿勢を露わにする意図はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、二人の首脳が置かれている退くことが許されない状況を解説。さらに両国と深い関係性を持つ日本が米中対立の緊張緩和のため、今後果たすべき2つの役割を挙げています。

国際情勢の裏側、即使えるプロの交渉術、Q&Aなど記事で紹介した以外の内容もたっぷりの島田久仁彦さんメルマガの無料お試し読みはコチラ

 

歩み寄れない米中関係が分割する国際情勢

「アメリカのバイデン政権は、中国を止めることなどできない」

名前や所属は明かせませんが、11月16日にオンラインで米中首脳会談が行われた直後にこのような連絡が届きました。

元々はエスカレートする米中間の対立を受け、緊張緩和の機会を探るために行われた首脳間の協議で、開始直後は互いに旧友と呼び合って親交を再度温めるような和んだ雰囲気で、両国間に存在する緊張の緩和の必要性という“総論”では合意し、「競争はしつつも衝突は避ける」という方向性は共有できたようです。

しかし、議論が各論に入ると、両国間の主張の違いが鮮明化し、双方の“譲れない一線”をぶつけ合う形で、議論は平行線をたどり、米中対立の構図がなかなか解決できないことを露呈しました。

主に台湾情勢の緊迫化への懸念、新疆ウイグル自治区における人権問題、南シナ海問題、経済・貿易問題などが、米中間での対立軸ですが、それぞれが従来の主張を繰り返され、歩み寄りの姿勢が全く見られなかったとのことです。

例えば、台湾問題ですが、副国家主席時代から「中国および中国共産党にとって、不可分な利害」と呼び、国家主席就任後は、One China, One Asia構想の下、台湾の“平和的”統一を目指してきた習近平氏にとって、ここにアメリカのプレゼンスが日に日に増えている状況は看過できない問題と位置付けられています。

今回の協議でも「台湾への行き過ぎた介入は中国にとっては強硬かつ断固とした措置を取らざるを得ないレッドラインだ」と珍しく強い口調で主張し、台湾に対する高まるアメリカ政府による肩入れを非難し、牽制するという選択に出たようです。

平和的な統一が望ましいとしつつも、米中首脳間の意見として、明確に台湾への軍事力による侵攻と統一という選択肢を取ることも厭わないと発言するのは異例では済まされないと思われます。

今のところ、以前お話ししたように、軍事的な作戦を通じて台湾を急襲し、アメリカ他からの反撃に備えつつ、台湾占領及び統一のための人員や物資の動員を短期間で行う能力は“まだ”ないものと思われますが、グアムキラーや対潜水艦のミサイルはもとより、最近、繰り返し行われる空母攻撃群の連携演習や、空軍との連携、ミサイル部隊の強化といったように、中国および台湾に駆け付ける米軍への対抗・対応の準備及び能力、体制は徐々に整ってきているように見えます。

そして、最近、ペンタゴンが出した年次報告書でも、予想よりも早く中国の戦力の充実化が図られるとの予想も出ており、もし来年、習近平国家主席が3選目を迎えるようになれば、核心的利益と位置付ける台湾併合を実現するために、より強硬な手段に打って出る可能性は高まると考えられます。

それを察知してか、バイデン大統領は「米国は現状を変更する試みには加担しない」と発言し、米国政府は、台湾の独立そのものは支持しない旨、明確化し、不必要な衝突は避けようとの意思は見えます。

しかし、同時に「現状を変更したり、台湾海峡の平和と安定を損なうような一方的な取り組みには反対し、断固として対応する」とも述べ、中国の企みを牽制しています。

実際に台湾海峡有事が現実化するような事態になった場合、アメリカがどの程度、コミットするのかは不明ですが、AUKUSの結成により、中国の強硬姿勢に対する複次的な対応の意図を示し、中国に自制を促すものと考えます。そして、極めつけは、台湾に米軍の精鋭部隊を送り込んで、台湾軍をトレーニングしているという状況で、これは、直接的・間接的な対応をアメリカ軍が取ることを示唆していると思われ、中国に対する抑止力強化の戦略が見て取れます。

国際情勢の裏側、即使えるプロの交渉術、Q&Aなど記事で紹介した以外の内容もたっぷりの島田久仁彦さんメルマガの無料お試し読みはコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 「米は中国を止めることなど出来ぬ」米中首脳会談の直後ある筋から届いた衝撃の一報
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け