北の核は防げない。日本が今すぐ見直すべき「専守防衛」という自縄自縛

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山岳地帯の鉄道車両や日本海に展開した潜水艦からのミサイル発射実験を繰り返し、国際社会を刺激する北朝鮮。国土すべてがその照準内にある日本でも、ようやく「敵基地攻撃能力の是非」などが論点に上がるようになってきましたが、さらに踏み込んだ議論を求める声も各所から上がっています。このような状況を専門家はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では北朝鮮研究の第一人者である宮塚利雄さんが、今こそ政府と国民は「専守防衛」について真摯な論議を進めるべきと提言。さらに日本は北朝鮮にいつ核ミサイルを打ち込まれてもおかしくない脅威の渦中に置かれている、との警告を記しています。

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※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2021年11月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:宮塚利雄みやつか・としお
宮塚コリア研究所代表。韓国・慶熙大学校碩士課程、檀国大学校博士課程修了。山梨学院大学教授(1992~2015年)。主な著書に『北朝鮮・驚愕の教科書』(宮塚寿美子と共著)、『北朝鮮観光』「がんばるぞ!北朝鮮』『アリランの誕生』『日本焼肉物語』『パチンコ学講座』、そのほか翻訳本多数あり。

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日本は真剣に専守防衛の議論をするべき時

元航空自衛隊航空総隊司令官の大串康夫氏が先月21日、都内で「迫りくる危機に立ち向かう!~私たちの提言~」と題して講演した。

大串氏は、頻繁にミサイル発射実験を行う北朝鮮や尖閣諸島沖で領海侵犯を繰り返す中国などを念頭に「(国民が)日本の置かれている状況を理解し、主体的な防衛意識を持つことが必要だ」と指摘し、「尖閣も米国が守ってくれると思っていては守れない。アフガンのように(国防を放棄した状態)なったら米国は来ない」と強調した。

最近の北朝鮮による相次ぐミサイル発射実験に関して、日本国内でもようやく「敵基地攻撃能力を検討すべきだ」という意見が聞かれるようになった。現に防衛省は11月12日、国家安全保障戦略や防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)の戦略3文書の改訂に向け「防衛力強化加速会議」を設置し、初会合を同省で開催した。同会議は岸田文雄首相の指示で設置され、敵基地攻撃能力を含めて議論したとのこと。

会議は、岸信夫防衛相をトップに防衛省局長級幹部や各自衛隊の幕僚長らで構成され、岸氏は会議冒頭で「急速なスピードで技術が進行している。変化の中で命や平和のために必要なものは何か、冷静かつ現実的な議論を突き詰めることが重要だ」と強調した。北朝鮮によるミサイル発射実験に関して「敵基地攻撃能力を検討することは大いに結構なことである」。しかし、敵基地攻撃の場合、「相手のミサイルの正確な位置を事前につかんでおかなければならない」ということだ。

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