革新という仮面をつけているだけ。「連合」の中身は自民党だと断言できる訳

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「連合」(日本労働組合総連合会)初の女性会長となった芳野友子氏は、来夏の参院選に向けても「立憲民主党と共産党の共闘はあり得ない」と強調。この発言に、「労働者のために闘わない連合は要らない」と異を唱えるのは、メルマガ『佐高信の筆刀両断』著者で評論家の佐高信さん。企業の内部留保増とG7最低で韓国より下になった賃金を許す連合は“正社員”という特権的労働者の組合でしかないと指摘。「中身は自民党」だとする元衆議院議員の亀井静香氏の批判を支持しています。

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連合の中身は自民党

連合の本業は労働者の待遇改善、あるいは生活向上のはずだが、初の女性会長となった芳野友子には、そのことがまったくわかっていないようである。前の神津里季生もそうだったが、相変わらず、野党共闘に水を差し、共産党とは相容れないなどと言っている。

立憲民主党の支持者だろうが、共産党の党員だろうが、たとえば非正規雇用をなくすためならば、どちらでも構わないというのが、労組のナショナルセンターのトップの態度ではないか。だから、自民党の元政調会長の亀井静香に次のように批判されるのである。

「立憲の支持母体の連合というのは、革新の仮面をかぶってるけど中身は自民党なんだよ。労使協調と言ってるだろう。経営者は自民党支持なんだから、結局自民党が勝つほうが今の労使協調体制を維持するのには都合がいいんだ。本当の労働者政党が政権を取ったら困ると思ってるんだよ」

『月刊日本』12月号のこの発言に芳野は反発するかもしれないが、連合が本来の闘いをやっていないために、この国の賃金はいまや最先進と言われるG7の参加国で最低である。アメリカの58.7%、ドイツの72%、イギリスの81.8%、イタリアの下にあって、アジアでは韓国よりも低い。

労働者のために闘わない連合は要らないのではないかとさえ、私は思う。企業の内部留保はコロナ禍でもさらに増えて、484兆円というベラボーな額になっている。これでは連合不要論を唱えられても文句は言えないだろう。連合は“正社員クラブ”と皮肉られるが、ならば、日立や東芝などの御用組合だけの集合体にした方が、スッキリする。

亀井は人権について注目すべき発言もしている。

「小室眞子さん夫婦のことで随分さわいでいたけどね。天皇陛下や皇族の方々に我我一般国民と同じ基本的人権というのはないんだ。皇族は生まれた瞬間から死ぬまで公的な存在だ。自由恋愛で好きな男や女と結婚するという発想自体がおかしい。眞子さんがかわいそうだ、皇族も自由に生きるべきだ、なんていう奴は愚かだ。皇族というお立場である限り、私的な感情は制御されるというのが当たり前なんだ」

そもそも天照大神は女神なんだから、女帝も認めて天皇制を存続させるというのが亀井の立場で、だから天皇制は廃止すべきというのが私の立場だが、天皇や皇族に基本的人権はないとう認識では亀井と私は一致する。

しかし、これ以上、右翼からの攻撃は受けたくないので、イギリスの王室の話として、ダイアナ妃がパパラッチの追跡を受けてかわいそうだという人がいるが、ダイアナは人権を捨てて特権の世界に入ったのだから、かわいそうだと思う方がおかしいと私は説明する。

ともあれ連合は正社員という名の特権的労働者の組合になってしまったのだろう。人権の立場にそれを戻さなければならない。

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