なぜ、営業の神様は会社の接待費を使わずに“自腹”で手土産を買うのか

 

ルール6 自腹感があり自分らしい高すぎず安過ぎず。食べて消えるもの

高価な手土産が有効かというとそうでもありません。

いかにも魂胆が見え隠れしますし、 会社の経費で買っているのがバレバレだからです。しかも食べ物のような消えモノでないと、相手もそれを見るたびに、何か催促されているような、賄賂をもらったような気分になってしまうでしょう。

かといって、駅のおみやげコーナーで適当に買ってきた安い食べ物だったら、 よほどの地方の銘菓でもない限り喜ばれないでしょう。

自腹で買っているけれど、ちょっと頑張ってぐらいの金額で、なおかつ 「あまり知られていないけれど、地元では知られていて、私も大好き。そして行列か予約をしないと買えない食べ物」が理想的なのです。

そうすれば、「会社の経費でいつもの手土産ルーティン」ではなく、「個人でがんばって私のために苦労して自腹で贈ってくれた手土産」だと伝わるでしょう。

ルール7 仕事場で分けやすい小分けでたくさんのもの

私はありがたく手土産をいただいた時に、 中身を見て社員で分けられるもの だったら、
「どうもありがとうございます。社員とおやつでいただかせていただきます。」 とお礼をして、目の前で手土産を社員に渡します。そして、社員からも御礼を言わせます。

こうすることで、私は「個人の手土産は原則として受け取らない」「もし手土産をいただいても社員と分けてしまう」人だということを、お伝えできると思うからです。

「それでは意味がない」と思う人は 、きっと何か魂胆がある人でしょう。逆に「自分の好きなお菓子をみんなで分けて楽しんでくれたら幸せ」と思うような人とおつきあいしたいのです。

それに、社員からも「お客様の手土産のおすそわけ」は喜ばれますので、私も嬉しいのです。

個別にとっておきの手土産を持参するのは、 おつきあいを重ねて個人的にも親しくなってからで良いでしょう。もちろん、何か特別なものが手に入った時もおすすめです。

今、振り返ってみても、 笠さんからの手土産は実にユニークで印象的でした。そして、今でも、笠さんの笑顔と一緒に思い出す のです。

生涯にわたっておつきあいしたい人に、わざわざ自腹で手土産を持参するのですから、 知恵と足を使って「自分にしかできない」特別な贈り物にしたいですね。

そうすればするほど、イヤな賄賂だと勘ぐられることもないはずです。 知恵やユーモアを感じ取りながら、真摯でその人らしいラブレターだと感じていただけることでしょう。

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1963年東京墨田区出身。87年慶応大経済卒。イマジニア新卒一期で飛込営業と株式投資ゲーム開発。88年日興證券でAI相続診断システム開発研修統括。91年家業の国産Tシャツメーカー久米繊維工業入社。94年三代目社長就任(現相談役)。97年日経インターネットアワード、05年経産省IT経営百選、09年東商勇気ある経営大賞等受賞。10年APEC中小企業サミット日本代表。20年開学の新大学iUでは起業家教育・地域創生担当教授。明治大、多摩大の授業や企業団体研修に即した25万部超の「すぐやる技術」シリーズ等著書15冊。内外情勢調査会等で毎年数千人に講師。東京商工会議所墨田支部副会長、墨田区観光協会理事、墨田区文化振興財団 評議員として地元振興。新日本フィルハーモニー交響楽団・NBS日本舞台芸術振興会・日本吟剣詩舞振興会 各評議員として文化芸術振興。

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