東京・小笠原村で震度5強。懸念される伊豆・小笠原海溝アウターライズ地震と巨大津波発生

2022.01.04
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
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気象庁は4日、東京・小笠原村の父島近海で午前6時8分頃、マグニチュード(M)6.1、深さ77km、最大震度5強の地震を観測したと発表した。この地震による津波の発生はなかったものの、震源近くの母島で震度5強、父島で震度4の揺れを観測したという。

「なんだ、はるか離島の地震か」と安心してしまった関東住民は多かったのかもしれないが、今回の地震によって「ある懸念」が現実のものとなる可能性がでてきた。それは、「伊豆・小笠原海溝アウターライズ地震」である。

今回の震源地よりも本州寄りで、同じく「伊豆・小笠原海溝」沿いの鳥島(東京都青ヶ島村)近海では現在、過去に例がないほどの群発地震が頻繁に発生している。独立行政法人防災科学技術研究所(NIED)が公表している、気象庁一元化震源要素(2日前以前)およびHi-net地震観測システムによる自動処理結果(前日・当日)の震源要素を使用して作成された「Hi-net自動処理震源マップ」によると、ここ30日間で鳥島近海で群発地震が発生していることがわかる。

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Hi-net自動処理震源マップより。画像中央が鳥島近海で発生している群発地震を観測したもの。下部の黄色い円が4日に発生したM6.1

つまり4日に発生した小笠原村震度5強がトリガーとなって、鳥島近海の伊豆・小笠原海溝でアウターライズ地震が発生する可能性、あるいはその前兆である可能性が出てきたのである。

アウターライズ地震とは、海溝の外側付近でおきる地震のことを指す。この「アウターライズ」とは、海洋プレートが折れ曲がって海溝から沈み込む際にできる隆起帯を指し、その部分を震源域とする地震を「アウターライズ地震」と呼んでいる。この鳥島近海で群発地震が起きているエリアは、伊豆・小笠原海溝のアウターライズ(外側)にあたり、もしこのエリアでM8クラスの地震が発生した場合、東日本大震災で発生したものと同規模の巨大な津波が発生し、房総半島や東京湾、伊豆半島などの関東周辺から南は九州まで津波被害が出る可能性がある。

昨年12月21日には、内閣府が北海道から東北地方の太平洋沖に延びる「千島海溝」と「日本海溝」沿いでマグニチュード(M)9級の巨大地震が発生した場合の被害想定を公表し、あの東日本大震災の死者数約1万8000人を10倍以上も上回る19万9000人と発表したばかり。もし、この伊豆・小笠原海溝アウターライズ地震による巨大津波が発生すれば、その被害規模は千島・日本海溝地震の想定をはるかに上回るだろう。

● 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について(内閣府、2021年12月21日発表)

MAG2 NEWSでは2020年8月、地質学者の「日本沈没」に関する可能性について学会発表された論文に関する記事を公開したが、その中で「今後、マリアナ諸島は沈没するかもしれない」という仮説を紹介した。

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今回の小笠原周辺の地震発生により、日本近海では今後何が起きても不思議ではないのかもしれない。ドラマの中で描かれたような「日本沈没」は無いにしても、3.11で多くの被害を出した津波地震の脅威がまだ完全に払拭されたわけではない。今後も、遠方の地震とたかをくくることなく、伊豆・小笠原海溝周辺の地震に注意を払う必要があるだろう。

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