先々週、友人である台湾人のジャックから誕生日パーティーのお誘いをいただいた際、彼はこう言いました。
「悩んだけど、大々的にパーティー開くことにしたよ。毎年やってた中、去年は自粛したしね。わかってるよ、言うなよ、この時期に自宅で人をいっぱい呼んでパーティーなんて非常識だって言いたいんだろう。でも、もう、これ以上、コロナでやりたいこと我慢するのは余計、ストレスなんだ。もう2年近く、いろいろと規制され、我慢してきたしね」
電話口で僕は、でもクラスター起こしたらどうするんだよ、と笑いながらも、いちおう警告しました。
「もちろん(招待客は)ワクチンパスポート持ってる人間に限るよ。それでもクラスターを起こさないとは限らない。わかってる。でも、もう感染したらその時はその時だよ。うちは子供いないから、それならそれで仕方ないと思ってる」
誕生日パーティーって、そんな決死の覚悟でやるもんなのか?そう笑いかけて、でも言うのをやめました。彼と彼の奥さんにとっては、いろいろと考えた上での決断だったのだと思います。そしてパーティーに来る人間もすべて覚悟の上の自己判断として当日来るのだとか。自宅にお子さんのいる友人の多くは、やはり断ったそうです。僕のように。
「それに、なにより…、死ぬことはないだろ」。彼は最後にこう言いました。
その言葉が、今のニューヨーカーの本音を一番表しているのかもしれません。
今年に入り(3日現在)新たに99人の死亡が報告されました。これらの方々が、いつ感染したかは、明確に知るデータはありません。かなり強引で勝手な計算をするなら、新規感染者、1万411人に対して、死亡者99人。つまり、100人にひとり。そのひとりは、既に持病があったり、高齢者の割合が多い。結局、健康な成人であれば、もし万が一感染しても、死に至る確率は相当、低い…。そう思っている人がほとんどなのではないでしょうか。
もちろん、ただの数字上のデータなので「感染しても死にゃしない」という理屈には何の根拠もありません。コロナ疲れの脳が、もう、自然とそう思い込みたいだけでしかない。
仮りに死亡せずとも、後遺症もが残る可能性もあるし、なにより、他の誰かに感染させてしまうリスクはどこまでいっても残ります。相手はウイルスなのだから。
そして、実際に亡くなられた方も多くいます。ニューヨーク州の死者数の累計は3日の時点で、4万8,798人。コロナがなければ、この東京ドームいっぱい分の数字は、亡くならずに済んだ人たちです。
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