まだ演技の“え”の字も知らない浜崎が、NHKで主演を務めるような女優をつかまえて、“タメ語で世間話をしていた…”と、驚きのエピソードを漏らすのです。
普通、素人に少し毛が生えたような新人の少女なら、オドオドしながらスタジオの隅で収録現場を眺めているのがせいぜいです。A氏は“くるみの物怖じしない性格に本当に驚いた…”と、今でも目を向いてみせます。
これだけではありません。
初めての東京で、端役をしながらドラマ出演を続ける浜崎は、このA氏をつかまえて“現場マネージャーを替えて欲しい”と涙ながらに訴えたというのです。
芸能界の右も左もわからない福岡の少女が…です。
理由を聞くと即座に“だって仕事が出来ないんだもん”と答えたといいます。
結局A氏は、他にも抱えていた女優のスケジュールがタイトになり、知人の『サンミュージック』故・相澤秀禎元会長に浜崎を預けることにしました。
“もし私のスケジュールに余裕があれば、くるみを必ず人気女優に育てられた…”
A氏は今でもその“運命の悪戯”を恨んでいるようです。
“相澤さんはアーティストとしての浜崎に目を付けたわけですが、私は今でも女優としての彼女の才能を信じて疑いません…”とも付け加えます。
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A氏の元に宣材が送られてこなければ…
A氏が“浜崎くるみ”の宣材に魅かれなければ…
浜崎を自分から放し、相澤さんに預けなければ…
これらの答えは“神のみぞ知る…”でしょう。
そしてマネージャー業の醍醐味は、こういった発掘作業にあること…これは紛れもない事実なのです。
プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by : Chi-Chuan Chen / CC BY 2.0