ホンマでっか池田教授が個人の教育データ「デジタル化」に呆れる理由

 

個人の過去の学習履歴をデジタル化しても、本人はまず見ない。そもそも見るメリットがない。データが教育産業に流れて、金もうけの道具に使われるのが関の山だ。実はそのためにやっているのかもしれない。適当な名目を付けて、税金を使って、私企業の利益に奉仕するといういつものパターンになるのは火を見るより明らかだろう。そのうち個人情報が漏れて、○○さんの中学時代はお勉強もできなくて欠席が多く素行も悪かったなどという情報が、いつの間にか第三者に渡るといったことも起こりそうだ。

恐らく政府の狙いは、児童生徒の政治的傾向をデジタル化して、政府の政策に反抗的な国民のリストを作って、国民を政権の管理下に置きたいということなのだろう。とりあえずお友達企業を儲けさせて、あわよくば、独裁政権の礎を築きたいということ以外に、こんなアホなことをする理由が思いつかない。

進士正憲さんという方がtwitterで述べていたように、国会議員の活動実績、国会、委員会の出席状況、発言履歴、歳費、交通費の収支明細を一元管理して、公表して、国民が必要に応じて閲覧できるようなデジタル化なら大いに意義があると思うけどね。国民を統制することには熱心だが、自分たちはやりたい放題で、税金の使い道や、怠慢の記録は絶対に公表しないというのは、独裁への道だ。だんだん、現政権を支持する人々が嫌う、中国や北朝鮮の政権のやり方に近づいている。これらの人々が中国や北朝鮮が嫌いなのは、近親憎悪なのかもしれない。

少し前に、スポーツ庁が、中学生の16%がスポーツ嫌いという調査結果を受けて、これを半減させたいという計画を掲げているという話を聞いた時も、アホかいなと思ったけれども、スポーツ庁とかデジタル庁とかは、本当にブルシット・ジョブで成り立っているような官庁で、国民一般はこんな官庁がなくても一向に困らず、税金の無駄使いだ。速やかに解体すれば、日本の凋落の速度は、多少は緩和されるだろう。

ブルシット・ジョブとは2018年出版のデヴィッド・グレーバーの著書の題名で、仕事をしている本人でさえ、完璧に無意味で、不必要で、有害でさえあると認識しているが、組織の維持、あるいは自身の雇用を守るために、意味があるかのようにふるまわざるを得ない仕事を指す。

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