日本人の的外れな「ユニクロ叩き」。これでは中国政府の「思うツボ」だ

 

私は、ユニクロを非難するネット民の声には違和感を感じます。非難すべきは中国政府であり、ユニクロではありません。もう一つ大切なことは、非難すべきは中国人でもないということです。これは米国も言っています。中国人が悪いのではない。中国人は被害者なのだと。その論法でいけば、ユニクロも中国政府から被害を受けていると言えるでしょう。もし、中国政府がけしからん態度を改め、普通の国になってくれれば、ユニクロは非難されないのですから。

ユニクロが非難され、世界で不買運動が起きたとしても、中国政府はダメージを受けません。ダメージを受けるのは日本企業であり、日本人社員なのです。日本人が日本企業を攻撃することは「村八分」に似ていると思います。村の外の人とは戦わないけど、村の中の人を仲間外れにする。私はどうしても、そこに居心地の悪さを感じてしまうのです。

■編集後記「締めの都々逸」

「対中非難と 新疆綿と ユニクロ憎しが もつれてる」

個人的に中国政府の人権弾圧には怒りを感じています。香港もモンゴルもウイグルも法輪功もあらゆる人権弾圧には抗議したいと思います。勿論、中国人への人権弾圧も見過ごせません。ロックダウンされた市民、性奴隷として扱われる女性等々、中国政府だけが市民社会以前の時代に生きているようです。

中国人と付き合うには、言いたいことは直接いった方が良いと思っています。それは国と国、企業と企業でも同じではないかと思います。中国に良くなってほしいから、「人権を守れ」と言っているんだ、ということです。それと「脅迫はやめろ」とも言いたいですね。脅迫には屈しないから無駄なことはやめろ、という意味です。

中国に忖度は効かないと思いますよ。忖度が通用するのは同じ村に住む住民だけです。「村八分にするぞ」という脅しが効く相手だけです。(坂口昌章)

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image by:J. Lekavicius/Shutterstock.com

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