目に余る習近平の失政。中国が春節移動に禁止令を出せなかった訳

 

こんな状況ですから春運を抑えつけることはさすがにできなかったのでしょう。政府発言のトーンが「帰るな」ではなく「出来れば帰らないでください」と柔らかくなっています。Mochiの顧客も何とか工員に帰省させないように「居残りボーナス」を出したりしていました。

そこに「深センに陽性患者2名」という突然のニュース!穏やかムードの深センは一気に緊張状態に陥りました。連日「どこどこのマンションがロックダウン」とか「あのマンションに濃厚接触者が在住」などの速報が発表され、昨年5月のように全市民核酸検査が5回に渡って実施されました。それだけではなく、オフィスビルや商業施設に入るには「48時間以内の陰性証明」が必要となったため、結局自主的に2日に1回検査をしなければならないことに!私も都合8回やりました…。

でもちょっと怪しいと思うのは昨年5月の感染者は勤務地、氏名、性別、身分証番号、住所と思い切り公開されたのに、今回の最初の2人は「~に住んでいて、~で働いている某男性とその妻」みたいな情報しか公開されなかったんです。感染原因は「カナダから届いた貨物」と。コロナウィルスは空気中で24時間、プラスチックに付着して72時間生存するそうです。カナダから飛んできて徹底消毒を受けた後で通関を終え、宅急便配達ハブに運ばれた後で個人宅に配送という段階でまだウィルス生きてる?と思ってしまうわけです。まさか政府主導で自作自演?この国なら普通にあり得る話です。

結局集団スクリーニングで最大で18人の感染者が見つかったのですが、その後2週間新規感染者が出なかったので、1/26に政府発表の「感染リスク地域」から深センが外されました。帰省を諦めていたうちのスタッフ達は「間に合った!」と急いで新幹線のチケット確保に走り、取れた日程に合わせる形で有休を取りみんな満面の笑みで帰省しました。

私はというと結局今年も日本には帰れないので、深センで長い長い週末のような春節休みを過ごしました。来年こそ自由な往来が出来る世界が戻って来ますように!

著者/Mochi(「『華南の風』中国・深セン」連載)

image by: Robert Way / Shutterstock.com

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【著者】 アジア6カ国の在留邦人メンバー 【発行周期】 週刊

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