悠仁さま報道に見る宮内庁「言論封殺」と権力に迎合する記者クラブの害悪

2022.03.03
 

このように、英国のメディアは、時に英国政府の考える「国益」に反する報道を行い、政府と激しく対立することも辞さなかった。日本の「記者クラブ」とは、まったく対照的だといえるだろう。

英国のメディアの姿勢は、日本にとっても参考になるものだ。どこの国でも、権力はメディアを押さえつける。権力とは、常にそういうものである。だが、その時、日本のメディアは、権力に屈して萎縮していてはいけない。言論の自由、報道の自由を死守することが、民主主義社会を守ることになるという使命感を持つべきだ。そのためには、権力に従順な「記者クラブ」の存在は百害あって一利なし。廃止すべきだと考える。

image by: KungChuyada / Shutterstock.com

上久保誠人

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

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