韓国新大統領が廃止を宣言、文在寅や玉ねぎ男が主席を務めた“組織”の名

 

禹元主席は、国家情報院(国情院)を活用して不法査察(懲役1年)を行い、国政壟断(ろうだん)を幇助(これは無罪となった)したという容疑で裁判を受けた。曺国元首席は、親族のロビーを受けユ・ジェス元金融委員会局長の不正容疑に目をつぶった容疑で在宅起訴され裁判を受けている。

尹次期大統領が民情首席室の廃止を宣言したのは、検察在職時代、捜査を通じてこのような弊害を目の当たりにし、また直接経験したためかもしれない。こうした捜査を行ったいわゆる「尹錫悦ライン」の検事らを昇進させたり、左遷させたりしたのもまた民情首席室だった。曺国元首席捜査に関与した現職検事は「民政首席室は政治の検察捜査介入の源泉のような所」と述べた。

しかし、民情首席室の廃止は終わりではなく始まりという言葉が出ている。民情首席室を廃止するとしても、公職を監察し人事を検証する必要性は依然として存在するからだ。尹錫悦政府が危機に直面した時、名前だけ違うもう一つの民情首席室が登場し権力を振るう可能性も排除できない。早くから牽制する部署のない検察の誕生を懸念する声も出ている。

金大中政府初期に民政首席室から代わった初代法務秘書官を歴任した朴柱宣(パク・ジュソン)元議員は「当時、名前が変わっただけで、民政首席の役割と機能は事実通り維持されていた」と回顧した。パク・ウォンホ=ソウル大政治外交学科教授は「大統領の政策は毎回意図しない効果を生むもの」とし「民政首席室を廃止して生じた権力の空白をまた他の権力機関が代替しないか綿密に調べなければならない」と述べた。

尹錫悦が第一号の公約として掲げている「青瓦台には入らない」と、この民情首席室の廃止が本当に実現するかどうかが「尹錫悦はやっぱりちがう」と思わせる二大イベントだ。日本にいらっしゃる方々(韓国通)にも、是非ともこの点に注意を払ってとくと韓国の姿を観察していただきたい。この二大イベントが実現することになったときには、一旦、尹錫悦は「言ったこと」と「やること」が一致している人間と判断してもよいかと思う。文在寅の場合は、以前のメルマガにも書いたが、言ったこととやったことと、ほぼ100%不一致だったという結果が出ている。でもこれが普通の政治屋かと思う。2022年から2027年5月まで大統領を務めることになる尹錫悦。北の崩壊が(あるとすれば)2025年という予言があちこちから飛び交っている。北の事情もそうだし、現在のウクライナ事態を見ても、これから中国、台湾、その周辺国家の間で何が起こってもおかしくない時代にはいっている。世界ががらっと変化してしまいそうなこのときに韓国の大統領になった尹錫悦。肩の荷は重いが、やり遂げれば遣り甲斐もまた最大級のものとなろう。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年3月16日号)

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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