圧倒的な“遊び場感”。飲食横丁「ガレーラ立川」大成功の秘訣とは?

2022.04.29
 

「モデル」の位置づけで各店舗が可能性を模索

一覧表の順に従って、各店舗のこだわりを紹介しよう。

あて鮨 喜重朗:こちらは“元祖あてまきの店”。「あてまき」とは巻物の中に塩辛やこのわたなど日本酒のあてになる具材を入れて食べていただくすしで、ここのオーナーが命名。

“あてまき”を生み出したすし店の様子。すしはみな小ぶりでつまみ感覚でいただく

“あてまき”を生み出したすし店の様子。すしはみな小ぶりでつまみ感覚でいただく

立川ちゃんぽん エビサワ:立川市内で店を構え、2018年に閉店した「ホットナンバン」のちゃんぽんを、同店のファンであった保村氏をはじめとして記憶を頼りに再現した。

鶏だしおでん ねりもん:「おでんを水炊きのように提供してみたい」というオーナーの思いから開発に取り掛かり、一つのおでん鍋に鶏ガラ60分を使用して濃厚なスープにしている。

おでん鍋一つに「鶏ガラ60羽」で出汁を取っている店。このようにすべての店にこだわりがある

おでん鍋一つに「鶏ガラ60羽」で出汁を取っている店。このようにすべての店にこだわりがある

春巻きのニューヨーク:「ガレーラ立川」から徒歩1分の場所で「餃子のニューヨーク」を構える会社の店。春巻きは餃子と共に中身が見えないことから「感性を刺激する」という発想で開発。

「ガレーラ立川」から徒歩1分の場所で「餃子のニューヨーク」を営業する店が「春巻のニューヨーク」で出店

「ガレーラ立川」から徒歩1分の場所で「餃子のニューヨーク」を営業する店が「春巻のニューヨーク」で出店

向日葵屋(ひまりや):酒との相性の良い小鉢料理を多数ラインアップ。料理もドリンクもすべて1品500円(日本酒は約90ml。支払いはキャッシュオンで対応。

GALERA EXPRESS COFFEE:コーヒー豆は、ブラジル・サマンバイヤ農園やコロンビア・ブエナビスタ農園の他、インドネシア、エチオピアから取り寄せ、豆に合わせて焙煎。

OAK:イタリア、フランス、スペインの自然派ワインやスパークリングワイン、オレンジワインなど約250本を常備。施設内ホッピングの利用を想定していてグラスに関しては少し抑えた価格で提供。

TACO WASA TOKYO TACO:タコスの生地をおからと小麦を原料とすることでもちもちした食感にした。これを「トーキョートルティーヤ」と名付け、通常コーンのものと選べるようにした。

Tamaya:2021年12月にオープンした立飛麦酒醸造所(立飛ブルワリー)のクラフトビールを提供。フードは鶏肉のほかに三元豚の「かしら」や「ひぞう」などを炭火焼で提供。

VIGO OYSTERBAR:自然派ワインと牡蠣、タパスの店。牡蠣は全国各地の産地から届いたものを、滅菌海水に入れて浄化させる時間を一般的なものより長く行っている。

保村氏によると、これらに出店している業態は「それぞれのオーナーにとって『モデル』となる位置づけ」と語る。ここでの営業が新たな展開を画策するチャンスとなり、ファンを育てることにもつながる。「ガレーラ立川」の月商は計画当初5,000万円とされていたが、この繁盛ぶりから拝察すると優に達していように伺われる。

image by: 千葉哲幸
協力:GALERA Foodmarket TACHIKAWA

千葉哲幸

プロフィール:千葉哲幸(ちば・てつゆき)フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

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