今や日本は、猫も杓子も「コスパ」、「コスパ」と連呼します。僕がアメリカで暮らし、20年間日本を離れている間に浸透した言葉の第1位ではないでしょうか。
ちなみに第2位は「サスティナブル」。第3位は「伏線と回収」(笑)。もちろん僕が日本にいた21年前から、コストパフォーマンスという言葉は存在しました。特にビジネスシーンでは当時からよく使われていた。
例えば、試験勉強、例えば、ダイエット。短期間で達成すべき目的に向けて、より効率のいい展開を目指す際に使われていた言葉だったと記憶します。
そこから、いまや人生自体に、夢実現に、生き方そのものにさえ適用されるようになっていった。なんだよ、コスパ、コスパってうるせえな(笑)。言葉は悪いですが、その風潮を俯瞰で見た、母国を離れて長く暮らしている僕の率直な感想です。
「コスパ、コスパって連呼してるやつに限って、スッカスカな人生送ってそう」クラブハウスやウエビナーでスピーカーとして話す際、わざと悪ぶって嘲笑しながら吐くセリフです。
もちろん褒められた表現ではないのは自覚しています。我ながら極端な結論だなとも思っています。
なによりコスパは悪いより、良いに越したことはない。僕自身、いちおうは経営者です。経営する際に最も大切なことはコストパフォーマンスの向上です。
経営者になって20年、常にコストパフォーマンスを意識しています。コストに対するリターンの割合で商売の質が決まる限り、コスパを意識しない経営者はこの世にいない。いたら失格です。
たとえば「わずかな投資で億万長者」「最短で10キロ痩せる!」。
こんなタイトルの本があれば、お金を出してでも買いたい。実際、買ってきました。何冊も(笑)。資産運用もダイエットもコストパフォーマンスがすべてです。僕も、わずかな投資で億万長者になりたいし、できるだけ短い期間に、標準体重を計測したい。
つまり、こういう僕だって、間違いなく「コスパ」を重視したいし、意識する。こと、資産運用、ダイエットに関しては。
でも、生き方、人生そのものを「コストパフォーマンス」を基準に考えるのは、反対です。というより、不可能だと思っています。
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