問題は中国の変数だ。昨年、韓国の輸出入で米国が占める割合はそれぞれ14.9%と11.9%で2位だったが、中国はそれぞれ25.3%、22.5%で1位だった。
半導体業界の関係者は「中国にもバイデゥ(百度)、テンセントのような大型IT(情報技術)企業のデータセンターをはじめ、スマートフォン、ノートパソコン、電気自動車生産工場など途方もない半導体需要がある」とし「片方だけを重視するような姿を見せることには、慎重にならざるを得ない」と話す(つまり米国にだけ偏るのは危険という意)。
しかし、経済安保が重要視される状況で、これ以上過去のような対応は続かないという指摘も出ている。
漢陽大学のパク・ジェグン教授は「前政権のように曖昧に綱渡りをする方式では何もできない」とし「米国と同盟を結んだ韓国の企業には中国内先端装備導入を許可してほしいと要請し、中国政府にも韓米半導体同盟が中国に役立つという点をよく説得しなければならない」と話した。
チョ・ギョンヨプ韓国経済研究院室長は「短期的には困難がありうるが、むしろ中国が米国とEUで占めていた市場を(韓国に)持ってこられるよう政府と企業が乗り出さなければならない」と助言した。
日本の場合は、中国とは陸続きになってないからある程度自由がきくが、韓国の場合は中国と背中をくっつけている立地だけに、米国と仲よくすべきなのはわかっているが常に中国さんのほうも意識せざるをえないため、宿命的なジレンマがこの国にはある。
尹錫悦新大統領がどのように舵を切っていくのか、見物でもあるし心配でもある。
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