『月曜日のたわわ』日経新聞掲載で続く論争。問われる新聞広告の是非

Pile of newspapers on a wooden table. Image has a vintage effect applied.
 

ハフポストによれば、

ネット上では「女性はもちろん、娘を持つ男性も不安になる広告」「これが全国紙の全面広告になることでげんなりする人は少なくない」「女子高生を癒しの対象にし、それを日経が後押しすることへの違和感が大きい」などと批判が相次いでいる。(金春喜『「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは?』(ハフポスト、2022年4月8日)

と書いている。

広告は、比村奇石さんの漫画『月曜日のたわわ』の単行本最新刊をアピールするもの。講談社の「週刊ヤングマガジン」で2020年11月から連載しており、2022年4月4日に単行本第4巻が発売された。

「コミックナタリー」は同作を「月曜日が憂鬱な社会人に向け、豊満な体型をした女子を中心に描かれるショート作品」とする。

ハフポストの取材に対し、東工大の治部准教授は、今回の全面広告の主な問題点を3つ指摘した。

第1に、あらゆる属性の人が読む最大手の経済新聞に掲載されたことで、「見たくない人」にも情報が届いたこと。

第2に、広告掲載によって「異性愛者の男性が未成年の少女を性的な対象として搾取する」という「ステレオタイプ」(世間的固定概念)を肯定し、新聞社が「社会的なお墨付きを与えた」と見られること。

第3に、これまで「メディアと広告によってジェンダー平等を推進し有害なステレオタイプを撤廃するための世界的な取り組み」を国際機関とともに展開してきた日経新聞が、自ら「ジェンダーのステレオタイプを強化する」という矛盾に陥ってしまったこと。

日経新聞は、国連女性機関(UN Women)などがつくった「女性のエンパワーメント原則」というガイドラインにも署名している。この原則は、

「女性と女の子に対するネガティブで画一的な固定観念は、ジェンダー平等の実現を阻む最も大きな要因の一つです。」

とする。

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