中国と戦争すれば「米軍敗北は必至」という事実を日本メディアが伝えぬ理由

2022.06.01
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米軍が負けるのは半ば常識

このような「米中戦わば米国に利あらず」との予測は、かなり行き渡っているもので、例えば米ペンタゴンに直結するシンクタンク「ランド・コーポレーション」が2015年9月に出した報告書「米中軍事スコアカード」では、台湾海峡危機の場合、中国の対米空軍基地の攻撃能力や対地戦闘能力が2017年にはやや優勢となり、南シナ海紛争の場合の中国の対基地攻撃と対地戦闘の能力は同年には拮抗すると分析していた(本誌2015年12月14日付No.815参照)。

この報告書では、例えば2017年の予測として、中国が108ないし274発の中距離ミサイルを沖縄の嘉手納米空軍基地に集中的に発射し、2本の滑走路にそれぞれ2個所、直径50メートルの穴を空けられた場合、米軍の戦闘機が飛べるようになるまでに16~43日、大型の空中給油機が飛べるようになるには35~90日もかかることが明示されていた。これを見て、ジョゼフ・ナイ元国防次官補は「もう沖縄と日本本土の米軍基地は要らない」とまで言った。

あるいは2018年には米議会事務局が作成した台湾危機についての分析では、中国軍のめざましい能力向上と米軍が抱える補給上の数限りない困難ゆえに、米中が台湾を巡って戦えば米国が「致命的な敗北を喫する」可能性があると結論していた。

こうした予測は、専門家の間ではすでにほぼ常識となっているが、日本のマスコミではほとんど語られることがなく、それは専ら米軍に頼って日本の安全を確保しようとする自民党政権の趣旨に合致しないからである。

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