辛口評論家が知事選応援で「原発を山口県に移転させよう」と語った真意

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5月29日に投開票された新潟県知事選で、共産、れいわ新選組、社民が推薦した片桐奈保美氏の応援で長岡に駆けつけた評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、そこで自身が話した内容を紹介。「オッサン県政にサヨナラしよう」とオッサン議員による汚職続きの国政を念頭に訴え、会津、庄内、長岡が中心となった奥羽越列藩同盟の話から「長州(山口)中心のこの国の政治を転換させなければならない」「原発は、再稼働などと言う安倍晋三の地元に移転させよう」と語った真意について綴っています。

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越後では、杉と男は育たない

5月27日、新潟県知事選挙の応援に長岡に行った。自民、公明に連合までが支持する現職の花角英世に対抗して立った片桐奈保美を応援するためである。まず、隣の山形県出身であると自己紹介してから、当日の新聞に触れた。

元農相の吉川貴盛が鶏卵汚職で有罪判決を受けたと報じている。『毎日新聞』は元法相の河井克行に始まって、元副財務相の遠山清彦などの5名を一覧表にしていた。公明党の遠山以外はいずれも自民党である。政権への直結を謳っている花角県政は汚職につながる県政であり、交代しなければ汚職に染まる。

また、この5名がみな男であることでわかるように、オッサン政治をなくさなければ汚職はなくならない。オッサン県政の花角にサヨナラしようと訴えた。終わったら、聴衆の1人が近づいてきて、「サタカさん、越後では杉と男は育たない、と言われるんですよ。知ってましたか」と尋ねられた。もちろん、知らない。長岡は田中角栄や山本五十六を生んだところだが、確かに、田中も山本も育ち切れなかった男かもしれない。

「原発なくして病院のこす!」がスローガンの片桐は住宅建設会社の副社長で73歳。兄と共に高卒で会社を興し、50歳を過ぎて新潟大学に入ったという肝っ玉母さんである。

巻原発に反対して、若いころは子どもをおぶって運動に参加していたらしい。原発反対には年季が入っている。次世代の県民のために世界最大の柏崎刈羽原発をなくそうという主張には熱がこもっていた。

私は演説の途中で、原発再稼働などと言っている自民党の、とりわけ安倍晋三の地元の山口県に移転させようと主張した。演説はこうしたことを口走らせる。

やはり、中央政府から新潟を含む東北は低く見られて原発もより多く押し付けられているが、長州(山口)中心のこの国の政治を転換させなければならないとも訴えた。

そして、奥羽越列藩同盟の話をしたのである。福島県の会津、山形県の庄内、そして新潟県の長岡を中心として「官軍」に抵抗する「賊軍」の列藩同盟は結成された。これに尽力した1人が長岡の河井継之助である。司馬遼太郎が『峠』で描いて、さらに評判となった河井の映画が、たまたま、6月に上映される。河井役は役所広司。そんなこともあって、この話をしたら、長岡では受けた。

片桐は「私は国の言いなりにはなりません!」と言っている。ビラには小泉純一郎が登場して「まず新潟から原発ゼロにしよう」と主張している。陣営では「新潟県初の女性知事を」とも訴えていたが、確かに私の出身の山形では女性知事が誕生している。

現職の花角は自民党のボスの二階俊博に極めて近い元官僚。そんな現職を腐れ連合が推している。かつて滋賀県で嘉田由紀子が当選して“嘉田ショック”と言われたが、新潟にもショックが起こらないものか…。(結果は残念無念)

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image by: imacoconut / Shutterstock.com

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