今年だけで17回発射。なぜ韓国は北朝鮮のミサイルを無力化する策を練るのか?

Rockets background North Korea map. Conflict of North Korea and the United States
 

ADDはレーザー迎撃システムを開発している。レーザーは光の速度であるため、避けることが事実上不可能だ。直進するため正確性に優れる。レーザーは1回の発射費用が1,000ウォン前後だ。

2020年ADDは、20kW出力のレーザーで1km離れた鉄板誘導弾模型を貫く試演を披露した。この程度なら、ドローンを捕まえるレベルだ。

米国は2030年までに出力を1メガワットまで高めたレーザー体系を開発し、弾道ミサイル・巡航ミサイル・極超音速ミサイル迎撃に動員する予定だ。韓国も米国に追いつくものと見られる。

問題は電力だ。高出力レーザーは大規模発電でないと実現できない。アビエーションウィークのキム・ミンソク韓国特派員は「次世代ミサイル防御システムに多くの電力が要るが、そのためには野戦で大規模な電力発電が行われなければならない。ADDが提案した「次世代多目的高出力電力生産技術」が完成すれば可能になるだろう」と話した。

これとは別に、海軍のKDX-III(イージス駆逐艦)とKDDX(韓国型次期駆逐艦)も弾道ミサイル迎撃能力を備える。

弾道ミサイルとは異なり、巡航ミサイル・極超音速ミサイルは滑空または機動する形で飛行するため、飛行軌跡と打撃位置を予想しにくく、迎撃が容易ではない。

また、高度30~40kmで主に飛んでいて、大部分が国家の防空システムにおいて最も脆弱なところだ。地上レーダーで探知するのが難しく、探知時間も短いからだ。

特に、極超音速ミサイルはミサイル防御網を突破するために作られたため、迎撃がさらに難しい。プラズマ効果が起き、レーダーの電波を吸収することができる。しかし極超音速ミサイルは天下無敵ではない。弱点も多い。

長時間大気から高速で飛ぶと飛行体の構造と素材が耐え難い。飛行体の安定性も落ちる。ミサイル防御網を欺く欺瞞体を使うことはできない。何よりも飛行体の温度が上がり、赤外線探索機で簡単に捕まえることができる。UFOのように曲がりくねって飛ぶわけでもない。

そのため巡航ミサイル・極超音速ミサイルに対しても水平的多層防御が可能だ。サードからLAMDまでの弾道ミサイル防御網を最大限活用しながら新しい技術で弾道ミサイル防御網の死角地帯を埋めれば良い。

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